Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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最後に今回分の「クララの明治日記 超訳版」解説を、いつも通りにお逸とユウメイに。
【クララの明治日記 超訳版解説第27回】
「というわけで、クララの日記、上巻最大の見せ場ともいえる、クララの徳川家達邸訪問記をお送りしましたわ」
「本編の解説前にざっと明治維新前後の徳川家の事情を紹介しておくねー。
14代将軍徳川家茂公が亡くなった後、昨年の大河ドラマで主役となった天璋院様たちは家茂公の遺言どおり、田安徳川家を嗣いでいた田安亀之助公を擁立しようとしたのね。でも、亀之助公は当時僅か4歳。あの激動の時代に舵取りを任せられるわけもなく、皆さんご存じの通り、徳川慶喜公が15代将軍に就任したわけ。
しかし、その慶喜公も2年足らずで大政奉還。徳川宗家相続権も放棄させられ、一代挟んだ上だったけど、本来の予定通りその跡を亀之助公、こと徳川家達公が嗣いだわけ」
「ということは『明治維新後、徳川家は静岡に移住した』と聞きましたけれど、慶喜公が責任者だったわけではなく?」
「ええ、一応名目上とはいえ、静岡藩知事に就任にしたのは家達公よ。この頃は父様も静岡に行っていらしたし。もっとも、版籍奉還廃藩置県のお陰で、他の華族共々東京に戻ってくることは出来たのだけれどねー。ちなみに慶喜公はこの時点で華族ではなかったから、静岡にそのまま残ったのだけれど。
で、ここからが問題。資料を読み解いてもいまいちよく分からなかったんだけど、各種資料を見ると、家達公は東京に戻った後、千駄ヶ谷に住んだことになっているのよね。その後に更に東京に移住、って記述もあるんだけど」
「おかしいんじゃありませんの? 確か今回の本編中でお逸、貴女の家の隣だって」
「そうやって書いてあるのは、クララの日記の記述だけなんだよねー。翻訳時の補足文にもそう書いてあるし」
「それでしたら、クララの勘違いじゃありませんの?」
「ところがどっこい、大逆転。手元の明治八年の古地図を調べてみたら、ちゃんと“勝アハ”家の隣に“トク川家”って書いてあるのよね。つまり、クララの日記の方の記述が正しいってことが証明できちゃったわけで」
「へー、役に立つことがありますのね、クララの日記でも」
「ただ、これはどうしても分からなかったことなんだけど、家達公の実質的な後見人だった天璋院篤姫様が何処に住まれていたか、という話なんだけど」
「あら、その方は本編中に名前が出ていらっしゃいますけれど、創作でしたの?」
「多分そうだろう、ってことで補足したんだけどね。というか、ここ以外に篤姫様に行く場所があったとは思えないのよ。新政府からの援助もなく、さりとて、本当の意味で市井に混じって過ごせるわけもなく。それならば、一番信頼していたであろううちの父様の家の隣で家達公と一緒に、というのが自然の流れだと思うの。
もしどなたか、確定情報をお持ちでしたら、是非ご一報下さいませー」
「さて、事前情報はこんなところで、本編の解説なのだけれど」
「ちょっと待って。もうお一人、大久保一翁様のことをご存じない方が多いと思うから紹介を。一翁公こそ、最初にうちの父様を見いだして出世の足がかりを作ってくれて、江戸城無血開城にも尽力してくれた、幕府の最後の幕を無事に引いた一人なの。家達公に従って静岡に移住した時には藩政担当されて、その後は明治八年まで東京府知事を担当されていた方よ」
「それで、その方の息子さんであり、二枚目で、態度も紳士そのものである大久保三郎氏を巡って、クララと恋の鞘当てをすることになるわけね、お逸は」
「…………二人とも、何処まで本気だったかは分からないけれどねー。その辺はまたクララの日記本編でご確認下さい」
「なんだかはぐらかされたような気がしますけれど、長くなってきましたので今週はこの辺で失礼致しますわ」
(終)


と云った所で、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
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