Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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最後に今回分の「クララの明治日記 超訳版」解説を、いつも通りにお逸(勝海舟三女)とユウメイに。


【クララの明治日記 超訳版解説第89回】
「冒頭のグラント将軍暗殺の噂は、貴重な証言ですわね」
「今日一般的には全く知られていないもんねー。
ていうか、少なくとも私はクララのこの日記による証言以外、そんな話、聞いたことないわけで」
「結果的に、ただの“妬み”の類だったわけですから、この証言で歴史の真実云々という話には繋がりは致しませんけれど、興味深いエピソードであることは間違いありませんわ」
「英国人の仕業だったのに、如何にも“日本の国民が怒っている”というスタンスからの攻撃なのが面白いよね。
ただこれは“犯人側”としては失敗だと思う。
クララの日記を読む限り、日本の庶民の反応は“お祭りの類”って感じだもの。
日本人って、お祭りに金をいくらかけてもあんまり怒らないし」
「いわゆる“ハレ”の日に対する考え方ですわね。これは東洋独自のものなのかしら? 
祭りそのものに散在が伴うのは当然といえば当然ですけれど、どうも欧米諸国の祭りは我々東洋人のものとは微妙に違う気がするのですけれど?」
「うーん、言葉では説明しにくいけど、確かに違う気がするよね。
それと補足すると、英国だともうこの当時から王室行事への支出に対するマスコミによる攻撃が始まってるからねー。
多分密告者もそういうノリだったんじゃないかな?」
「良くも悪くも“お国柄”が出たということかしら?」
「と、綺麗なオチがついたところで、次の話題に。
いきなり話はミクロの話になるけど、金太郎夫妻の話は豪快だよねー」
「当然ですわ! あんな夫の理不尽な暴虐、許されるはずがないのですから」
「こういう証言を見せられると、既にある意味で明治初期、いえ、きっと江戸の当時から“男女同権”が確立していた気がしてくるよね」
「普通なら女性の味方をしそうなクララなのに、日記の記述からは“どっちもどっちだ”みたいな感じが伝わってきますわね、確かに」
「クララの予想以上に“弱者である筈の女性”が“強か”だったからだろうね。男の方もあっさりしたものだけれど。
ノリとしてはアレかな? “殴っていいヤツは、家財道具一式持ち逃げされる覚悟のあるヤツだけだ”って感じ?」
「……まったくもって、ロマンの一欠片もない台詞ですわね。勿論こんな話にロマンなど必要ある筈はありませんけれど。
では、本日の締めは勝家で行われた“虫干し”の話ですけれど」
「陣羽織姿の父様、格好良かったんだろうなあ♪」
「……相も変わらぬお逸の反応はさておき。
勝氏の服揃え、幕府の重要閣僚だったにもかかわらず、意外とシンプルだと感じたのはわたくしだけかしら?」
「まあ、うちは元々貧乏旗本の出身だからねー。必要な物から揃っていった、って感じじゃないかな?
基本、登城用の長袴と、一般正装にあたる裃、そして袴が何種類かあれば事足りたみたいだし」
「それにしては、火事装束が一室全部を占めていた、というくだりは不思議なのですけど?」
「うーん、推測だけど、これは多分、有名な新門辰五郎親分関係で貰ったんじゃないかな?」
江戸城開城交渉の際、万が一決裂していた場合の“危急の手段”をお願いした方、でしたっけ?」
「そうそう、その方。この時代を舞台にした時代劇じゃ、必ず出てくるよね。
それにしても、以前から思ってるんだけど、結果的に江戸を焼かなくてすんだんだから良かったんだけど、父様的にはどこまで本気だったんだろう?
本当に江戸焼き討ちを実行していたら、収拾不可能の完全内戦モードになってた可能性もあるわけで」
「……実際にはそうならなかったことを、先人に感謝すべきだと思いますわよ。あなたがた日本人は」
(終)


と云った所で、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
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