Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの日記 超訳版第3回−2

 今日はなんと忙しい日だったことか! 私たちは木挽町14番地の新しい家に落ち着こうとしているのだ。
 今朝アメリカから大箱が四つ届き、それからずっと大事な懐かしい物――故国の香りのする物―を整理したりして、あまりにもする事が多く書く暇もなかったのだ。今週になって初めて引っ越しの準備を始めたのだけれど、それは今まで森氏が少しも手を貸して下さらなかったからである。
 でも森氏以外の日本人は皆親切だ。お友達になった福沢氏は大きな客間の敷物を、小野氏は寝室の置物を買って下さった。
 アメリカに行ったことのある若い日本人たちは、皆しょっちゅう我が家に来て、ここを自分たちの家と呼んでくれる。そして一緒に買い物に出掛けようと誘ってくれるのだけれど、私はこのところ何も見物に外出していない。先週の月曜日、陶器が欲しくて使用人のヒロと銀座に行ったら群衆がゾロゾロついて来たので、家に戻って姿を隠すまで気が休まらなかった。母は「衆目の的」であることを気にせず、とてもよく出掛けていく。