Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの日記 超訳版第4回−1

10月6日 水曜日
 突然我が身に「審判の日」が降りかかった訪れたのは、午後六時半過ぎのことだった。
 夕食を終えたわたしたちはそれぞれくつろぎながら、祈祷会が始まるのを待っていた。
 私は居間のソファで読書をしていて、富田夫人もすぐ傍に立って、祈祷会に出るために来たばかりの若い日本人に話しかけていた。
 客間では小野氏が賛美歌集の中の古い曲を、兄のウイリイがオルガンを練習していた。
 富田夫人の従兄弟で、杉田玄瑞先生の四男である盛は台所のテーブルのところでお喋りをしていて、その奥では使用人のシズ、ヒロ、セイキチ、そして有祐が食後の皿洗いを手伝っていた。
 姿の見えない父と妹のアディは二階にいるらしく、丁度母も二階に行こうと階段の方に歩いていこうとした瞬間だった。
 大地が突然咆吼を始めた。家全体が土台から揺さぶられ、垂木は軋み、みんな揺り籠のように揺れる。
「!」
 私はあまりに吃驚して、身体を流れる血は凍り、心臓が止まるかと思った。
「今宵汝の命とらるべし」
 もし“天からの声”が荘厳な調子でこう告げたとしても、とてもこれほどには恐ろしく厳粛なものではなかっただろう。
 神様に助けを請う事も忘れ、ただ突っ立っているだけしかできない私の手が突然引っ張られた。「大丈夫、この家はとても頑丈なのよ」
 私を玄関の方に引っ張って行って下さったのは富田夫人だった。気が付くと、家の中にいた日本人は皆玄関に走っていった。一家中が玄関のそばに集まって、次の揺れを待った。地震はたっぷり一分間続き、その間に私は今まで経験したことがないほど色々のことを感じた。
 私が落ち着いて最初に考えたことは「神様が守って下さるだろう」ということだった。すると私の心臓の狂った鼓動は止まった。
 それから二階にいる人のことを思い出して、行ってみようとしたら二階の人たちが出てきた。可哀想に、アディは半ば死ぬほど驚き、心臓は激しく鼓動し、手は恐怖で氷のように冷たかった。父は今までになく素早く行動したようだった。本当に珍しいこともあるものだ。
 しばらく次の揺れを待ったが来なかったので、ようやく私たちは食堂へ戻った。こんなことに慣れている日本人は、日本では一年中殆どいつもこういった天変地異に見舞われているのだけれど、このような激しい地震はあまりなく、大抵は一年に六度くらい、それも非常に小さなものだけと云っていた。
 二十年前大きな地震が東京にあって、沢山の人が死に、多数の家が倒れたという。
 外国の家が倒れたことは聞いたいないけれど、日本の家は一般に華奢に建てられているからだろう。激しい地震の時は、落ちてくる材木や壁を避けるため、すぐ戸口から外に逃げ出すのが一番だそうだ。