Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの日記 超訳版第4回解説

【クララの明治日記 超訳版第4回解説】

「本日も解説はわたくし勝逸子と、キム・ユウメイでお送りします……って、ユウメイ! スマイル、スマイル!」
「……はぁ〜。まだ“ラノベ風”とはとても云えませんけれど、仕方ありませんわね。実のところ、日記をそのまま文章化する以前の裏取り作業の方が時間掛かっていますもの。誰もそんな事求めていませんのに」
「グーグル先生って怖いよね。ちょっとマニアックなネタだと、本来絵補足サイトのここが、学術的な頁よりも上位に来ちゃうんだもの」
「今回の分だと、どうしても杉田玄白と杉田玄瑞の繋がりが分からなかったようですわね。以前このブログの異文化交流クイズで『玄白の裔』と確信もなく書いた事が余程気に懸かっていたそうですわ。なんて肝っ玉の小さい!
 で、今回改めて調べてみて、玄白の跡を継いだのが養子の伯元ということは知っていたのだけれど、その後がどうしても繋がらずに。で、日本最大級の人名辞典を複合して調べた限り、なんとか判明したらしいですわ。
杉田玄白→伯元(養子)→恭卿(伯元実子。若年で死亡)・白元(伯元実子)』
『杉田立卿(玄白実子)→成卿(立卿実子)・玄瑞(立卿養子)』
 で、弘化三年(1846年)に、白元に請われて、玄瑞が杉田本家を継いだ、と」
「……なに、これ? 養子が本家を継いで、実子が別家を興して、別家に入った養子を、本家がもう一度養子にした???」
「玄白以来とはいえ、幕府の中ではまだ成り上がりの学者の系譜ですもの。実力本位制を取っていた、ということでしょう。現に上に挙げた杉田家の人物のうち、白元以外は全員、歴史事典に一項を設けられていますわ」
「それは確かに凄いとは思うけど……これ、調べて何か本筋と関係があるの?」
「これっぽっちもありませんわ! まったく、こんなことに時間を費やして、馬鹿としか云いようがありませんわね!」
「……可哀想だから少しだけフォローをすると、新島襄と杉田夫人はこの先なんども登場してくる伏線ってことで。あ、でもこの日の日記本文には新島襄に関する記述はなくって、あくまでその後の展開からの“想像”だって」
「それは日記という性質上、仕方ありませんわね。実際、福沢氏や大鳥圭介氏についてもいつの間にか知り合いになっていて、しかもそれは本人にとっては当たり前の事で、日記でわざわざ書き記したりしないでしょうし」
「あと10月6日の地震のことだけど、クララは大袈裟に書いてるけど、あれくらいの規模の地震は東京ではそれほど珍しいわけじゃないわよ」
「わたくしは北京出身ですからよく分かりませんけれど、そのようですわね。ブログ主の手持ちの文献に、明治の各年ごとの文化的流行や自然災害が載っている本を見ましても、この日の地震については記述がありませんもの」
「で、更に問題は10月13日の“戦争の噂”に関する記述なんだけれど」
「これも事実なんでしょうけれど、一般に知られている“歴史的事実”からは不思議な話ですわね。西郷隆盛らの征韓論が破れ下野する事になったのは、この二年前の10月。清国との間でトラブルが起こった台湾出兵もこの前年ですし」
「お父様はこの台湾出兵に反対して参議を止めてしまいましたし。元々辞める気でいらっしゃったようだけど」
「台湾問題は一部の欧米諸国も介入して、結局日清戦争終結まで最終的な決着が付かなかったようですし、直接的な脅威の清と横からちょっかいを出す欧米諸国への反発が、こんな噂を生んだ、と云うことなのでしょうね。……血統的には清国人であるわたくしとしては複雑な気持ちですけれど」
「で、最後の高木氏の台詞だけど、これは創作だって。もっともクララは大鳥圭介氏とも友達だったから、日記の記述にはないけれど、高木氏も大鳥氏と一緒に函館戦争に参加していたのを知っていてもおかしくないけどね。もっとも高木氏の上官は大鳥氏ではなく、同じ陣営にありながら対立していたとして有名な!」
「はい、お逸。そこでストップ! それは今後のお楽しみという事にということにさせて頂きますわ。もう少しオリジナル展開を入れられるようになったら存分に活躍して頂きましょう。
 それでは本日はこの辺で。ではまた来週」
「また来週〜! ……なお、わたし勝逸子のイメージCVは池澤春菜嬢、ユウメイは沢城みゆき嬢で読むと、再現しやすいですよー、って」
「……いくら酔っぱらいモードで書いているとはいえ、本気で恥ずかしいから、いい加減にして頂けませんこと?(怒)」