Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの日記 超訳版第5回−2

1875年11月3日 水曜日
今日はミカド陛下の誕生日という事で、東京中どの家も白地に真紅の朝日を現す日本の国旗を掲げ、提灯と旗も一緒に飾られている。町全体が祭りのようだ。
だけど悲しい報せもあった。小野氏の友人で、私が訪問した時にはとても上手に音楽を奏でられた若い夫人が、肺炎で昨日亡くなったのだ。
日本人は肺の病気や気管支炎に悩まされがちだが、それは彼らの着物がピッタリしていないからだと思う。他の病気より、風邪や結核で亡くなる人の方が多い。
着物は男物や女物もとても緩やかにできている。袖は長くてひらりと垂れているが、有害なのは腋の下の大きな隙間だった。そこから冷たい、身を切るような風が入って脇腹に当たるのである。着物を身体に巻き付けて重ねる前の部分にも隙間がある。男の人の肝のは殆ど腰まででずっと前が空いている。女の人のも同様で、強制的に着用することになっている腰巻きの他は、下に何も身につけていない。
つまり、日本人はみんなパンツを穿いてないのだ!
我が家に教えを請いに来る男性たちも、ストーブが必要な一番寒い季節でさえ、袖をひらひらさせ、胸を露わにしてやってくる。早死にするかも知れない危険を冒しているのを全く知らないのだ。いくら滑らかで艶々していようと、肌を露わにしている様は外国人にとっては不愉快なものだけれど、日本人はそんな皮膚を隠すのは残念なことだとでも思っているのだろうか! 
着物の下の部分は、留めるピンもボタンもなくて開いたままになっているになっているから、歩くと、特に若者が大股で歩くと、ぱっと開いたり閉じたりして、格好の良い脚と足先が時々見えるのである。日本人の衣類はこのように風通しがよいから、死神がそんなに早く多くの人を襲っても不思議ではないのだ。
ああ、健康のためにも、そして風采の面からも、どうかこの国の人たちが早く旧来の衣装を改め、我々のように洋服を着るようになりますように!