Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第10回−3

1876年3月1日 水曜日 
今日は人形展を見に、人力車で日本橋へ出かけた。
今月の最初の三日間は雛祭りで、人形が大流行なのである。大勢の人が銀座に集まっていてた。
おもちゃ屋、特に人形店は混んでいて、そこには将軍と奥方の人形から子供の親指ぐらいの大きさの赤ちゃん人形まで、ありとあらゆる種類の人形が揃っている。
本物そっくりに、刀を差して正装し、髪を結った大名の人形もあった。美しい着物を着た奥方の人形は最高の髪の結い方の見本のようなものだった。実物大の赤ちゃん人形や、毛で作った猫や犬や猿の人形もあった。
値段は二十五セントから四ドル以上にわたるが、この時期には少女に人形を沢山送るのが習慣になっていて、知り合いが裕福であればあるほど、その子は沢山の人形を貰うのだ。坐った格好のもあったし、子供、女の人、男の人、笛吹き、鼓を打つ人、楽器を弾く人、それから老人、偉い人、殿様、貴族、王様、お坊さん、将軍などもあった。
精巧に本物通りに作られた物が一堂に集められているさまは、本当に一見の価値がある。日本人はそのように驚くほど実物そっくりに作っていながら、人形の美しさにも注意を払っているのだ。
五月の五日は「男の子の日」なので、盛大なお祝いが楽しみである。