Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第11回−3

1876年3月14日 火曜日
今日は暴風だ。こんなに強い風の音は今まで聞いたことがない。一晩中風が吹いて吹いて吹き続け、時々家が随分揺れた。
朝方には小さな日本の家屋が吹き倒され、塀も木も煙突も倒れた。森氏の家である我が家もぐらぐら揺れていた。風がひどくて、おやおさんたちはお休みとなった。丁度母が頭痛でうんうんいっているので誰も来ないのが有り難い。
お昼の食事が済んだ頃に晴れ上がって明るく気持ちよくなった。面白いことに暴風はいつも南から吹く。そして今日の風はとても強かったけれど、大変暖かかった。
午後十時には地震もあった。小さかったけれどやはり怖かった。母の病気、雨、風、そして地震が揃ってやって来るなんて、なんて惨めな夜だろう!
毎晩横になると、これで終わりかというような気がして、怖くてたまらなくなる。災いから逃れられるように神様を信頼して、平和を祈ろう。私の精神も心も神様も信じているのに、肉体がとても弱いのだ。
こんな自省を母に話すと、いつも笑い話にして返されてしまう。
「クララは赤ちゃんだったとき、蠅をとても怖がって、蠅が部屋にいると卒倒しそうだったのよ。次に怖がったのは木馬でしたね」
そう、白い木馬に乗るのは私にとって大きな試練だった。何故だか、その恐怖のイメージは赤で塗り潰されている。本当にいったいどうしてなんだろう?
そして今は風。神は神様の僕であるのに、私は怖い。そして更に地震が私の人生を脅かす。「おお、汝、信仰うすき者よ!」
そう、我らの神は偉大なのだ。その実在を示す好例が今朝の官報に載っていた。
太政大臣、つまり総理大臣が今までの「イチロク」つまり一日と六日の休日をやめ、全官庁で日曜を休日とするという布告を出したのだ。
本当に主が悪魔を滅ぼし、全世界を支配する道を着々と築いていらっしゃるように思われる。神に栄光あれ!