Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第12回解説

【クララの明治日記 超訳版第12回解説】
『本当にすまないという気持ちで胸がいっぱいなら、どこであれ土下座はできる。例えそれが肉焦がし、骨焼く、鉄板の上でも』
「というわけで、カ○ジの鉄板焼きでさえ、三浦夫人ならきっと!」
「…………ふう。まあ、いいですわ。今回はネタ部分が少ないですものね。松平家訪問なんて殆ど原文のままですし。はいはい、無駄話が終わったらさっさと進めますわよ」
「ユウメイ、今日はノリが悪いよっ!」
「(無視無視) 日本人は本当にお辞儀が好きですわね。頭を下げることが好きな国民というのは世界的に見ても珍しいのではないのかしら?」
「……アンタの国の“三跪九叩頭の礼”じゃないからね」
「“三跪九叩頭の礼”は行き過ぎにしても、あまり普段から頭を下げすぎているから、欧米人から“日本人は見かけと実態が違いすぎる”と批判されるんじゃありませんの? そうそう、かなり不気味に見えるらしいですわよ、日本人が電話で喋っていても頭を繰り返し下げる光景は」
「既に条件反射レベルの無意識でやってるからねー、仕方ないんじゃない? でも戦国時代の宣教師たちの記録ではお辞儀に関する記述で目立ってものがないことからすると、ここまで深々したお辞儀が広まったのは江戸時代なのかな?」
「そりゃあ、長々とお辞儀をしている間に刺されたらどうしようもありませんもの。平和の産物ですわよ、きっと」
「江戸時代に広まったと云えば、いわゆる“贈答文化”もそうだよね。クララが帰りがけに手では持ちきれないほど贈り物を貰っていたけど」
「日本にいる間にすっかりクララも物を貰うことが当たり前のようになっていくのが分かりますわね、日記を読むと」
「江戸時代に出世しようと思うと、大概は有力人物の家に日参して贈り物をするのが当たり前だったみたいだしね。あと同心とかは大名家や商家から、今の貨幣基準だと億単位で“付け届け”を貰うのが普通だったみたいだし」
「……それって“賄賂”って云うんじゃありませんの?」
「賄賂じゃなくて、あくまで“お礼”。というか、この“付け届け”がなければ、同心の家は三ヶ月保たずに破産しちゃうんだもん、本来の禄高とお役料を含めても。つまり、最初から“付け届け”が給与代わりとして想定されて組み込まれていたらしいよ。あと、出世のための苦労に関してなら、父様の父様もいろいろ苦労したみたいだけれど」
「勝小吉さんの話ですわね。またその話は勝提督の話が出たときに改めて、ですわね。
あとは、と。いつものことですけれど、クララは宗教関係には容赦ないですわね。確かにわたくしも、大仏像が美しいとは思いませんけれど」
「当の日本人も全員が全員、アレが美しいと思ってはいないと思うけどね。まあ、仏像の顔のために拝んでいるわけじゃないし。それよりも『富士山を拝む方がよっぽど自然なように思われる』ってクララが云ってることを評価、というか日本人寄り化していることの方が注目点だと思うよ」
「それでも、梅や桜を見て楽しむ、という視点はまだないようですわね。欧米人にとっては、自然のままの花、というのは愛でる対象ではないのかしら?」
「人それぞれ何じゃないの? 植物の種子を集める“プラントハンター”。これは今もある職業だけれど、開国されるや否や日本に入ってきて各種珍しい植物を輸出しているから」
「それでも欧米風の園芸に合うように改造することを前提にして、ですわよ」
「この辺の話で詳しい記録を読みたい方は、ロバート・フォーチュンの『幕末日本探訪記』を読んじゃって下さいねー」
(終)


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