Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第16回−5

1876年6月13日 火曜日
先週の水曜日、アメリカから郵便が届いた。母、父、ウィリイへの手紙の他に、私のところへ新聞が三つと手紙が数通来た。
新聞は四月十三日のアレグザンダー・T・スチュアート氏の死を報じている。この人はニューヨークの豪商で、そのお店には何度も行ったことがある。大金持ちで、何百万ドル持っていたのか、また友人や公共施設にどれだけ寄付したのか分からないほどだ。子供がいないので財産は殆ど奥さんの物になる。微賤民から身を起こし、百万の富を築いて亡くなったその生涯の物語はとても興味深い。彼はアイルランド出身だった。
新聞には「我が国の誕生日祝賀会」つまり百年祭のことが沢山載っている。ああ、アメリカにいて祝えたらいいのに!
新聞は博覧会は日曜日に開くべきか、また禁酒百年祭をすべきか否かで「論戦」をやっている。最近アメリカでは、ムーディ氏とサンキー氏のもとに信仰復興運動が行われ、安息日を破って、なおかつ酔っぱらったり、飲酒を奨励したりすることはとてもできなくなった。
日本では幼い梅宮内親王が、僅か二歳で八日にお亡くなりになったが、お兄様も少し前に亡くなっていらっしゃる。そして天皇皇后陛下は今ご旅行中だ。
外国系と国内系の銀行が紙上で互いに健筆を振るっている。つまり舌戦を戦わうううしている。トルコ皇帝が退位させられた。しかしこれは国内の出来事ではない。そして、如何に政治の興味を持っていても、それはそれとしておいて、この日記帳は専ら身近な出来事を書いた方が良さそうだ。
また母と勉強を始めた。ラバートンの「歴史概要」を読むことにしたが、とても面白い。それから綴字法と文の書き方も習っている。色々の方面で私の教育に時間を割いてくれるなんて、本当に優しいいい母親だ。こんなに大事にして貰い、あまり幸せ過ぎると駄目な人間になってしまうのではないかしら?