Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第27回−2

1877年2月14日 水曜日
昼食の直後に、中原氏が訪ねてきた。奥様と横浜に引っ越したことのご報告にみえたのだ。
中原氏の快活ぶりは以前と殆ど変わらないけれど、ただ一段と落ち着きを増したようだ。
もう私と一緒に桃の木を歩いたり、私のために肩掛けや傘を持ってきて下さることもないだろう。
ああ残念! 残念!! 
もう一緒に星空の夏の夜にうちの踏み段に腰を掛けたり、絵のような茶屋の庭を散歩し、丸木橋を渡り、人工のアーチの下をくぐったりもして下さらないだろう。そう、腕に寄りすがる人が別にできたのだもの。……でも気にしない、気にしない。
この後、母と私はあちこち訪問に出かけたのだけれど、とんでもない光景に遭遇してしまった。
途中で酔っぱらった兵隊二人に出会ったのだけれど、その一人が剣を振り回していたのだ。その時の怖さといったらなかった。
その兵隊は巫山戯たように、剣で空を切っていた。両刃の剣は無情に光り、兵隊の卑しく残忍な顔は酒で異常な赤みがさし、泣き出しそうな表情が混じっていた。