Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第28回−10

1877年3月21日 水曜日
お逸は朝からうちに来ていたのだけれど、天気が悪いので泊まっていった。
ひどい風と雨が南から吹き付けていた。台風かと思ったけれど、ただの彼岸嵐だった。
お逸は生姜入りケーキとパンを作った。
「うちの父様は、外国の食べ物では洋菓子とかパンが大好きなの」
夕方はゲームをして過ごし、十時に二階に上がっていった。今日は母の部屋の大きなベットで一緒に寝るのだ。
お逸は寝巻きを持ってこなかったので、私の化粧着を着ることにした。
日本の枕もあったのだけれど、お逸は使わなかった。
お逸はとてもいい人で、私も大好きだ。けれど同時に、大変悲しいことに異教徒でもある。
ひどい雨ね、と零していると「雲の中で大きな竜が暴れているんでしょ」などと真顔で云うのだ。
他にも、狐が人を化かす話だの、足のない幽霊の話などをしてくれたのだけど、お逸は本気で信じているらしい。