Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第29回−7

1877年4月10日 火曜日
昨日、渡辺おふでさんという新しい生徒が来た。まだ17才なのに結婚されている。
お父様の渡辺清氏は福岡県令で、大阪府知事の渡辺昇氏の親戚に当たる。
師範学校、つまり女学校に通ったことがあって、英語を読むのがとても上手だ。
お逸やおふでさんのような模範を目の前にして、うちの最初からの生徒である令嬢たちも、話したり訳したりするのが急速に進歩している。
授業後、風が強かったけれども母と出かけた。
まず長年の慣習に従って、パークス夫人を訪問した。とても優しい方で、うちで庭を作ろうとしていると話したら「お花を送りましょう」と云って下さった。
その後パークス夫人は、骨董品の箱の鍵を開けて見せて下さったけれど、価値のある珍しいものを沢山持っていらっしゃる。
それから、ミス・ペリーのところへ行き、次に富田氏のお宅へ行った。
今日、母に「皇后様の学校である女子師範学校で教師をしませんか?」との勧誘があった。外国の婦人は今まで勤めたことのないところだ。
とても望ましい勤め口なので、母は引き受けることにした。
金額的には月に三十ドル以上にはならず、あまりいい報酬ではないけれど、母は何より教えることに興味を持っているのだ。
杉田氏と滝村氏が、校長の中村直正氏に母のことを褒めて、話をして下さったのである。
本当に神様は私たちに「有益な扉」を何枚も開いて下さっている。
そしてこれは私たちに垂れ給うお慈悲に他ならないのだ。