Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第31回−9

1877年6月9日 土曜日
今日は終日、生暖かい南風が吹き、皆だるくてぼうっとしていた。
風が吹くと、いつもこうなのだ。麻布にある開拓使の第三号試験場――とは云ってもその実態は物品売り捌き所なのだけれど――に行って野菜と花を買った。
それからお花を持って杉田家を訪ねると、とても親切にして下さった。
アディと私が先頭に立って丘を上り始めたら、丘の上に田宮氏と使用人たちが見えた。
私たちを見ると使用人は駆け下りて人力車を押してくれ、田宮氏は家人に告げに家に飛び込んだ。
およしさんが真っ先に、後から家中の人が出て来て、とても親切に気持ちよく迎えて下さった。
間もなく母と富田夫人が着いた。
およしさんは私をご自分の家へ連れて行って本を見せて下さった。
お蔵の二階にある盛の部屋に行ったが、その時ちょっとしたハプニングが起きた。
可哀想に六蔵ちゃんが階段から転げ落ちてしまったのだ。
でも、さぞ痛かったろうに、あまり泣かなかった。日本人は涙を恥じるように子供を教育しているからだ。
ウィリイが以前私たちが招かれた勝家の隣の、徳川家へ、我ながら見事に出来上がったと自負しているケーキと化粧鞄を持って行った。
徳川公は外出中だったけれど、大久保氏と滝村氏がいて、いろいろ話しをしたようだ。
徳川公と随員たちの名前を書いて貰おうと思って、ウィリイは署名帳を置いてきた。