Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第31回−10

1877年6月11日 月曜日
今夜風がひどく、怖くてたまらないので眠れない。
神様がこの強風を支配しておられ、風はその指図に従っているまでだと分かってはいても、この強い神の僕の前では私の勇気は萎んでしまうのだ。
徳川公は今日船で出発される予定だったので、高官が二十二人くらいお分かれの挨拶に行ったが、この嵐では出発できないだろう。横浜はもっと風がひどいに違いない。
勝氏は今朝見送りに横浜に出かけたそうだ。
「父様、人込みがお嫌いなので、人目を避けてとても早くでかけたのよ」
お逸がそう教えてくれた。
勝氏は最近まで刀を差しておられ、お逸のお母様やお姉様方も外出する時はいつも鋭い短刀を持って歩いていたと云う。