Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第32回−6

1877年7月5日 木曜日
「これはもう駄目ですね。切開して骨を取り出さないと」
突然の医師の宣告に私は驚愕する。
悲鳴を上げる間もなく手術を施された私の左手の親指は切断され、二度とピアノが弾けなくなった……。
「―――!?」
声にならない悲鳴をあげて私はベットから跳ね起きた。
すぐさま左手の親指を確認し……安堵の息を吐き出す。
私の左手の親指は、依然として少し腫れているものの、無事にそこにあった。
最近左手の親指が腫れてきて、痛くて眠れないことが時々ある。
しかも、この頃とっても鬱陶しい陽気で夜はよく眠れない。
ベットに入っても寝付かれず、生徒たち友達のこと、今していること、故国と学校のこと、やり取りしている手紙のこと、自分の至らなさなどについて考えてしまう。
気分転換に、今日は外出し、綺麗な扇子を沢山買った。
そして今日新しい生徒が来た。笠原イヤコという仙台の人だ。
とても発音が悪く“Thank you”をいつでも「ファンキュー」と云う。