Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第33回−9

1877年8月1日 火曜日
夕べはぐっすりと眠って、七時過ぎまでは目覚めなかった。
おやおさんとおすみが来て、私はおやおさんとお逸に音楽の授業をした。
午前中に高木氏がお別れを云いにおいでになった。
松平定敬氏の領地である桑名へ、一緒について行かれるのだ。
そうそう、二、三日前のこと。松平氏自身もうちに見えたのだ。
「義妹のおやおを教えて頂き有り難うございます」
「?」
私は首を捻る。
松平家の家系は複雑に絡み合っていて、正直誰が誰の親戚なのだか全然分からないのだ。
きっと何処かで血筋の繋がりがあるから「義理の妹」という表現を使ったのだろう。
松平氏はご病気が悪く、日本中を旅行して保養なさるのだそうだ。
九州の熊本にもお寄りになる予定なのだという。
だから帰り際に高木氏は、笑顔でそう云われた。
「西郷さんの首をお土産に持ってきますよ」
当然冗談なのだけれど、それにしては物騒な物言いに私はヒヤリとする。
昼食後、神田家のお嬢さんがみえたが、すぐ帰られた。
大鳥家のおひなさんとおゆきさんは五時に来た。
四時から行われた芝の祈祷会に出ていたので、大分遅くなったのだ。
一緒に遊んだり、歌を歌ったりしていると、おゆきさんが私に頼み事をしてきた。
「クララさん、私にも音楽を教えてくれませんか?」
でも、母が何故か大鳥家のお嬢さんたちを嫌っているので、私も教えるわけにはいかない。