Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第36回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第36回】
「本日分の見所は、内国勧業博覧会の最終日の模様くらいだねー」
「日本で初めての本格的な博覧会ですわね。1867年の第2回パリ万博や1873年のウィーン万博に、明治政府の首脳や近い人物達が参加したこともあって、影響されたのでしょうね。
人民への技術の啓蒙にも役立ちますし」
「ざっと会場の説明と概略を解説すると、会場は戊辰戦争で焼けた上野の寛永寺本坊跡。
煉瓦造の美術館を中心に、左右対称に東本館と西本館が設けられ、機械館・園芸館・農業館など6地区に分けらていました。ちなみに配置図はこんな感じになってたみたい」
「上の配置図を見て分かるように、博覧会の中心的建築物となったのは“美術館”なのですけれど、ここが日本で“美術館”の名称を使った最初の建物らしいですわよ?」
「てことは“美術”という言葉そのものが、明治になって出来た和製漢字なんだ。
へー、意外と云えば意外だけど、冷静に考えると至極当然っぽいかな?」
「“博覧会”も貴女の嫌いな某F氏の造語ですものね」
「私は嫌ってるんじゃなくて、事実を再確認してるだけだって!
「そうですの? それならば本題に戻りますけれど、この第一回の内国勧業博覧会の出品者は1万6千人余だそうですわよ」
「……わたし、父様に止められたから、その出品者の一人に入ってないけどね(怒)」
「会期は102日で入場者は45万人超。やはり日本人は物珍しい物が好きですわね」
「でも、至る所で特徴のない似たような博覧会を開催しすぎて赤字連発、ってのもこの二十年ほどのお約束だけどね。90億円の借金こしらえてた挙げ句、北の方の知事職を投げ出して未だに国政で平然としている議員もいたりでね」
「とりあえず、貴女の機嫌が悪いのは分かったから、この場では大人しくしておきなさい。
ともあれ、この成功に気をよくした政府はこの後も何度か上野を会場に博覧会を開催していますわ。
なお、この出展者の中で後世に最も影響力のある人物を一人上げるとすれば、明治23年の内国勧業博覧会に“豊田式木製人力織機”を出展した豊田佐吉でしょうね。いわずと知れた現在のトヨタ自動車の創業者の父、ですわね」
「明治期に名を挙げた技術者や学者の伝記を何冊か読んだことあるけれど、この内国勧業博覧会を見て衝撃を受けた、って記述は何度か見たことあるよ。まだ情報が隅々まで行き届かなかった時代の人たちに知的好奇心を促す、という意味では必要な見せ物だったんだろうね。日本でも大阪万博くらいまでは意味があったんだと思う」
「現在の“祭り”としての博覧会は全くの別物、というわけですわね? なるほど。
それでは、私の故国で行われる万博はどう位置づけられるのでしょうね、正直不安ですわ」
「……いろいろ現在進行形でマズイことが起きてるからね。観光で見に行きたい気持ちはあるんだけど」
(終)


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