Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第38回−5

1878年1月9日 水曜日
数人のお客様を夕食に招いていたので、今日はとても忙しかった。
午後の早い時間にシェパード氏がみえて、いろいろ話して下さった。
宮中で舞台裏の天子様と皇后様をおみかけしたこと。
皇后様が髪を結わせながら女官と一緒に笑っておられ、
天子様は鏡の前に進まれて、至って満足げにご自分の姿に見入っておられたということ。
そんなことを話された。
助っ人料理人である平兵衛が来たのは昼近くだったけれど、来てくれて「やれやれ」と思った。
私たちは新しい料理人が来ると思ったので昨日カネに暇を出したのだ。
しかし、結局新しい料理人は来なくて、またカネを呼び戻す羽目になった。
カネは爪が長くて汚いし、髪がぼさぼさしているけれど、それでも誰もいないよりはマシ。
幸い時間ぎりぎりに間に合って、お客様がみえた時には食事の用意が出来ていた。
夕べに一番にみえたのはシモンズ先生。
先生はなんとなく主賓気取りで、勝氏や富田氏と話しておられた。
二番目が富田氏で、次に村田氏、それから勝氏と子鹿さん。
小鹿さんも今日はすっかりめかしこんでいた。
その後にマッカーティ夫妻とユウメイがやって来た。
食事の時に、小鹿さんは私とユウメイの間の席であまり口を利かず、大人しくしていて面白くなかった。
生真面目なユウメイとお調子者の小鹿さんだから致し方ない組み合わせだったかも知れないけれど。
勝氏は母に高価な羽織を持って来て下さった。
「これは紀州公方こと、十四代将軍であらせられた家茂様の形見でね」
勝氏は大きな葵の紋が五つついたその羽織の由来にについて長いお話をなさった。
なんでも慶喜公以外には誰も手を通したことがなく、長年勝家の宝であったのだそうだ。