Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第39回−11

1878年2月1日 金曜日
二月に入って今日はお天気もよく、風が爽やかで春になったという気がした。
でも、母の頭痛のために私たちは外出できなくて、あまり春の恩恵に浴さなかった。
夕方近くになってちょっと出かけたが、もう空気が湿っぽくて駄目だった。
晩に給料のことで料理人と話し合いをした。
彼は「10ドル欲しい」と云うのだけれど、8ドルでよい筈だと思う。
確かに彼は横浜のグランド・ホテルでも、フランス系のホテルでも働いた経験があって、料理人としての腕はたいしたものだ。
おまけに背が高く、体格がよくて顔立ちも整っている。
蒙古人系の目鼻立ちというより、どちらかというとアメリカ・インディアンの顔だ。
静かで威厳があって礼儀正しく、とてもいい人だ。何か云う時には必ずお辞儀をする。
こんな良い料理人は失いたくない。
昨日工学寮からの帰り道で、洋服を着た馬上の人に出会った。
その方は同じく馬に乗ったお伴と別当を二人従えていた。
私にお辞儀をされたので、私もお辞儀をしたが、どなたであるか分からなかった。
ところが今日、父とウィリイが東京府に行った時に、楠本府知事が、前日ウィリイの妹らしい美しい女性に出会ったと話された。
そこでウィリイは、私たちが知事に差し上げたいと思っていた綺麗なスリッパの話をして、近くお届けすると約束した。
楠本知事はとても親切にして下さる。