Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第39回−12

1878年2月2日 土曜日
人間関係のちょっとしたごたごたがあって、定例のホーリネス教会の祈祷会は今日は開かれなかった。
そうとは知らず週一回の大掃除をした。
私は歌を歌いながらお掃除をするのが大好きだ。
歌のお陰で労働が軽く感じられるから。
綺麗な声――かどうかは分からないけれど――で歌っているところへ、ハドソン氏が祈祷会のことで来られて、母とお話をしていかれた。
昼食後、母は気分が悪くなり横になっていたけれど、トルー夫人がみえたのでまた起き上がって服を着た。
マッカーティ先生、杉田武先生、牧山先生が六時に夕食にみえたが、シモンズ先生からはお断りが来て、杉田玄瑞先生も気管支炎で来られなかった。
母は起きてこられなかったので、なんとも陰気な夕食会になりそうなところに、助け船を出してくれたのはユウメイの義父であるマッカーティ先生。
先生の清国での冒険のお話は不思議なことばかりで、物語のようだった。


武さんが来られる前に車夫が二人、彼に会いに来ていた。
それで武さんが来られてから、私は彼を外に連れ出して車夫に引き合わせた。
二人は使用人のおトシの置いていった荷物を取りに来たというのだった。
車夫が帰ってから、おトシが戻ってこないということを武さんが説明して下さった。
おトシは初めはどうしても理由を云わなかったそうだ。
でも問い詰めるとようやく白状。
元凶は同じく使用人の金三郎だった。
「ここの家の仕事は大変で、今の給料では引き合わない」
金三郎が繰り返しそう零していたことに触発され、おトシは給料に不満を持つようになったようだ。
おトシのような年寄りには十分な給金の筈なのに。
それでおトシは辞めていき、武さんは金三郎に腹を立てておられる。
前には私たちが金三郎の悪口を云っても、武さんは色々弁解しておられたのだけれど、今度という今度は、金三郎がろくでなしであることがはっきりした。
別の女中を探して下さることになったけれど、私たちは使用人に恵まれない運命にある。
フランス製の綺麗な硝子のフィンガーボールと盃がみえなくなってしまった。
疑いは金三郎にかけられており、結局彼は首を切られなければならないだろう。
こういったごたごたはまったくやり切れない。