Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第39回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第39回】
「今回は早速解説に入りますけれど……」
「集団で虐めなんて、宣教師たちって、本当に底意地が悪いよねー」
「わたくしの義父様はそんなこと致しませんわよ!」
「それは分かってるって。マッカーティー先生とメイの性格、そしてメイのその後の人生を知っていれば。
でも、クララの日記だけを見ていても分かるけれど、キリスト教の各宗派ごとに微妙な敵対関係が読み取れるよね。今回分だと1月22日分のところでの、東方教会系との対立とか。
それ以外にも全く同じ系列の宗派でも、私たち日本人には伺い知れない微妙な温度差があるみたい」
「クララのお母様は本当に何処の系列にも属していないようですものね。本来気軽な立場な筈が、思わぬ面倒に巻き込まれ、色々と苦労することになったのでしょう」
「それでもアンナ先生は最期まで日本での布教を望み、その結果日本で最初に青山墓地に葬られた外国人になるのだけれどね。
ちなみに、余談。まだこの頃は微かにしか顕在していないけれど、徐々に日本在住の欧米人たちは日本人との関わりを狭めていきます。
初期の宣教師たちが『日本人を啓蒙する』と勢い込んで来日したのに対し、明治も後半になると、スキャンダルを起こして本国にいられなくなった人間だとか、革命騒動で故国を追われた白系ロシア人たちの比重が大きくなってね。逆に同化していったのは……」
「わたくしの元同胞である清国人ですわね。まあ、程度問題ですけれども。
実際明治維新頃に既に数千人単位で横浜にいましたのに、日本人向けの中華料理があったのは明治十年前後に僅か3件。もっともこれは別段珍しいことではなく、昔の各国の中華街というのはそういう“隔離区域”だったみたいですけれども」
「話を戻すけれど、孤立していった横浜の山手地区の外国人たちがどんな生活を送っていたかと云えば、日本人と交わらず、専ら交際相手は外国人同士だけ。
使用人は仕方なく日本人たちを雇用したのだけれど、物価上昇を加味せずに遙か昔の相場で馬車馬のようにこき使うため、普通の日本人は逃散。
そのため使用人組合が人材派遣していたのだけれど、この使用人組合がとんでもない存在で」
「とんでもない存在?」
「……うーん、ぶっちゃけて云えば、犯罪者ギルド?」
「は?」
「だーかーらー、犯罪者達の巣窟!」
「どうしてそんなことになりますの!?」
「いや、だって薄給でこき使われるだけでなく、雇用主からはマトモに人間扱いされない。そんなところで働きたがる人間がそんなに沢山いると思う? 
でも、この外国人街にはメリットもあってね、正式に治外法権が撤廃されて以降も日本の警察権力がこの地区ではまともに及ばなかったのよ」
「……犯罪者の格好の逃亡先ね。なんだかマフィアの発生の根元を見ているようですわ」
「ユウメイの故国の人たちもその点は云えないと思うけど……」
「……コホン、さて話を元に戻しましょうか」
「いや、この辺のところの解説はこれでおしまい。でも使用人の給金問題は、明治の終わりから大正にかけての話だと思ったら、もうこの頃から既にその芽は出ていたのね」
「ですけれど、クララの家は流石に頻繁に問題が発生しすぎだと思いますわよ」
「……詰めが甘い一家みたいだからね。それでも私にとってクララは大親友だけれど♪」
「はいはい、分かりました分かりました。ラブラブで良かったですわね
それでは、とりあえず今週の所はこの辺で。来週は大鳥家の話題がメインとなる予定ですわ」
(終)


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