Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第40回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第40回】
和宮様の葬列は別として、今回は珍しい、明治初期の葬列の模様よね」
「わたくしにはどこら辺が“西洋式で”どこら辺が“日本式”なのか皆目見当つきませんわ」
「大丈夫! 私にも全然分からないから!」
「お逸、あなたね!」
「冗談はおくとして、正直分からないのよ。葬送行列、家で飲めや歌え、読経の模様なんかは現在でも普通だし、昔からこのスタイルだと思うの。
でも、西洋式のお棺、屋形船の形をした霊柩車、刻まれた墓標なんかは微妙かも?
まあ、お棺は洋の東西でそんなに形が変わるとは思えないし、霊柩車の形なんかは、仏教の教義的には古来から屋形船型な気がすると思うけど、確信が持てないよね。
ただ墓標に関しては、現在の人たちが“普通のお墓”と思っている四角四角した形は、それほど起源が古い物じゃない気がしたり。
でも、確実に現在とは違って、一番吃驚されるのは……」
「ここの記述ですわね。『お嬢さんであるおひなさんとおゆきさんは、まるで花嫁のような色物の着物を着ていた』。現在の日本人は殆ど忘れ去ってしまっているでしょうけれど」
「そうなのよねー、決定的な転換点は明治31年の英照皇太后の葬儀に、明治天皇が黒衣で出席された時点からかな? これは間違いなく西洋の影響。
でも、古来から葬儀の服が白だったかについては諸説あるようで、江戸期よりもっと昔の一時期は黒がだったとか、黒と白が流行を繰り返したとか、よく分からなかったり」
「世界的には、というよりアジア圏では白が多いみたいですわね。わたくしの故郷である清国でも基本、白ですし」
「うーん、となると葬儀の時の白服と結婚式の時の白無垢が被るよね。この辺は正直詳しくないんだけど、多分意味合い的には“他家に嫁ぐ”という結婚式の意味合いの白と死への旅立ちという意味での白は同根なんじゃないかな?」
五行説から解説する説もありますわね。中国、韓国、日本はかなりストレートに影響を受けているみたいですし」
「あと、よく分からないのが服喪の期間かな? 四十九日は当然分かるけれど、奥さんをなくした大鳥氏が三日、婚約者を亡くしたおやおさんが七十九日、というのは全然基準が分からなかったり」
「あまり変わらないと思われる葬儀も、葬儀に関連する事項も、時代時代によって随分変遷があるのでしょうから、致し方ないのではないかしら? もっともクララの伝聞が間近っている可能性も否定できませんけれど」
「……我が親友ながら、結構ありそうだよね、クララの勘違い。
さて最後に一点だけ補足。クララたちが買い物に行った『大丸』というのは現在の『大丸』と同じものなのかな? でも大丸って関西中心で本格的な東京進出は第二次大戦後だと思うんだけど」
「ネット検索すると、全く同じ名前の店が東京近辺にあったようですわね。
クララたちが買い物をしに行った『大丸』がどちらの大丸かは分かりませんけれども、このクララの書き方からすると、まだこの頃の日本では『正札販売』が珍しかったのでしょうね。意外といえば意外ですけれどね」
「自分だけぼったくられていない。そんな安心感が当時の日本人を捉え、全国に拡大していったんだろうね。
それが現在では徐々に崩れちゃって、家電量販店で値引き交渉せず、正札通り買ったら馬鹿を見る、ってのはあまり日本人のメンタリティ的によくないと思うけど」
「そんなことをわたくしに同意を求められても困りますわ。
というわけで、今週はこんなところで失礼致しますけれど」
「実は来週もお葬式関係特集で、今度はおやおさんの婚約者の四十九日の模様をご紹介予定だったり」
(終)


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