Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第42回−3

1878年2月21日 木曜日
明日はワシントンの誕生日を祝うことにして、大久保氏、田安公、松平氏、勝氏の四人を招待した。
しかし授業もあるし、大久保氏が土曜日の方が好都合だと云われたので一日延期した。
今日はお菓子作りに忙しかった。
今朝台所へ行ってテーブルの引き出しを開けたら何があったと思う? 
乾し杏、魚の干物、大根、葱、塩、黒い長い髪の毛のくっついた古い櫛。
私はがっかりして泣きたくなった。
でもやっと引き出しの中の物を取り出し、引き出しを水で洗った。
それからワシントンのお菓子と女の形のお菓子を作った。母はクラッカーを作った。
口の大きい陽気なカネのおかみさんが手伝いに来てくれた。
子供が四人もあって、しかも一人の息子は水腫にかかっているのに。
家の猫は前脚にひどい炎症を起こしている。
家族のようにしている私は心配で仕方がない。
時々晴れた夜などに家の門の前を流しの声楽隊が通り過ぎていくことがある。
笛、竪琴、ギターなどによる甘い音楽が窓に聞こえてくる。
今夜は下のベランダに招じ入れて歌って貰った。
六人の男性からなる一団で、みんな一様に青い布で頬被りをしていて、顔は全然見えない。
「遠くで聞いていた方が良かったわね」
母はそう云ったが、私は大変面白かった。
その陽気な歌は前に聞いたことがあるが、題は知らない。
星明かりに二階のバルコニーに出て、下から聞こえてくる歌を聞いているのはなんともいえず楽しかった。