Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第44回−4

1878年3月27日 水曜日
おやおさんは今朝はみえなかった。
体調が依然芳しくないようだ。
私はビンガム夫人のところへ、勉強のすすんだお逸を連れて行った。
良いお天気で二人とも上機嫌だった。
ビンガム夫人はお逸に私たちの家族を褒めて下さった。
私は『バザー』をお返しして、夫人から『パーパーズ・ウィークリー』や『アトランティック・マンスリー』を何冊か拝借した。
母の作ったスリッパを差し上げたら、大変喜ばれた。親切なことのみならず、おいしいものを一杯頂いて退出した。
ビンガム公使もお逸を丁重に扱われた。
でも、ヒューイットの店に寄って砂糖を買い、隣の薬屋に行きかけた時だ、その異変が起こったのは。
「……うぅっ」
そんな呻き声と共に、顔を真っ青にしたお逸が胸を抑え、薬屋の入口のところで蹲った。
「ちょ、ちょっと大丈夫、お逸!?」
慌てて駆け寄った私は、近くにいた車夫を呼んで、お逸を人力車に運び込んだ。
彼女は一緒に乗り込んだ私の肩に頭を乗せ、しがみついてきた。
私は片手で私たちの膝の上の植木鉢をしっかりと押さえていた。
お逸はとても苦しそうで、見ていられなかった。
顔は真っ青になって、頬の赤味がすっかり消えてしまっている。
家に着くとお逸は自分の人力車に乗り換えて急いで帰宅した。
私もすぐ後を追ったのだけれど、追いつかなかったので帰って来ざるを得なかった。