Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第44回−5

1878年3月28日 木曜日 
お逸のことが心配で心配で、私は朝からお見舞いに行く支度をした。
ことに杉田先生が呼ばれたと聞いたので気にかかった。
十時頃に屋敷に着いたけれど、正門は修理中で裏門から入った。
勝夫人が私を迎えて下さって、すぐお逸の部屋に案内して下さった。
お逸は床の上の布団に寝て、二人のお姉様――引田孝子さんと内田ゆめさん――がマッサージをしておられた。
「来てくれてありがと、クララ……」
お逸は苦しい中から明るい歓迎の表情を見せた。
頬は少し赤味を取り戻し、髪は邪魔にならぬよう上に巻き上げてあった。
けれども痛みがさすと、あまりに悲しげな顔で私の方を見るので、私は涙を抑えることができなかった。
何かお手伝いをしたかったが、何も出来ないで帰ってきた。
ウィリイが夕方に様子を見に行ったけれど、お逸の症状はよくなっていなかった。
杉田先生と金沢先生両方が呼ばれたということだった。
痛みが段々下の方に広がっているのだそうで、おやおさんも同じ病気なのだ。