Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第49回−3

1878年6月12日 水曜日
あと二週間でこの家を去らなければならないのは残念だ。
二年近く私たちが雨露をしのぐよすがだったのだから。
しかし変化は必ず来るものだし、それほど悪い事態でもない。
今朝森夫人を訪問して新しいピアノと楽譜を見せて見せて頂いた。
楽譜はどれもまだ夫人には難し過ぎるし、古いフランス式の手引き書以外には手引書がないので、私の持っているピーターの教本をお貸ししなければならない。ピアノはフランス製で良い音色だ。
母は森夫人と一緒に富田氏のところへ行き、私は一人ぼっちで留守番することになった。
帰宅後、母は「とても楽しい訪問でしたよ」と云った。
津田氏もおられたそうで、私たちが外国人居留地の外に住めるように外務省にかけあって下さると約束された。
「本当はとてもおかしな話なんですけどね」と津田氏の弁。
というのは、富田氏や森氏は外務省の実権を握っておられ、自ら規則を改定して下さればよいのに、威厳を保つためにわざわざ津田氏を使って、彼ら自身に向かって依頼をさせるという形を取ったからである。