Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第49回−5

1878年6月14日 金曜日
この家とも近くお別れなので、お世話になった方たちを招いた。
上杉夫妻、インブリー夫妻、尊敬する説教者のインブリー氏に会いたがっておられたディクソン氏に、マーシャル氏。
インブリー夫人は快活な話し好きで、人をもてなすのがとてもお上手だ。
一日中準備に追われたけれど、支度が調ったテーブルは、真っ白いテーブル掛けに、磨き上げた銀の食器やガラスのコップが並び、庭の花が活けてあってとても綺麗だった。
食事中の会話が弾み、すべて調子よく運んだ。
食後は骨董品を見て論じ合ったり、歌を歌ったり、お喋りをしたりした。
音楽の部分はだいたい私に任されていた。ディクソン氏が少し手伝って下さったけれど。
食堂には入っていく時は、とてもおかしかったのだ。
父がインブリー夫人の腕を取り、私は上杉夫人の手を取って父の後に続き、次に母と上杉氏、ウィリイとインブリー氏というように並んで進んでいった。
上杉夫人となられた大鳥家のおひなさんは男性に腕を取られるのが大嫌いなのだ。
私はそれを知っていたし、私もあれはこの上なく馬鹿げていると思っているのだ。
そういう事情から、私がおひなさんの手を取ったことに彼女はとても感謝していた。
でも時折、私に逃げられるとでも思うのか、私の手に縋りついていた。
とにかくとても楽しい時を過ごした。
皆がお帰りになってから、マーシャル氏は堀切へピクニックに母とアディを招待した。
私はまったく無視された。
ウィリイと私は断固復讐を誓った。
なんて憎らしい人!
彼らはボートに乗って行くのだ! そして月明かりのもとで帰ってくる計画なのだ!
母は新しい仮説を提起した。「脳髄は胸にあるのか」というのである。
何故なら困難に遭遇すると、いつでも胸にこたえるからだ。
明日は村田家に夕食に招かれている。
津田氏も来週お宅へ私たちを招いて下さった。