Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第51回−3

1878年7月3日 水曜日 
今日は終日永田町へ。
運び込まれて来る荷物をお逸の義兄様である疋田氏と一緒に受け取っては整理した。
母と私は朝早くその家に行き、誰もいなかったので、家を神様に捧げる祈りをした。
神様は私たちの願いを聞き入れてその家に来て下さったと思う。
その証拠にその晩、私はとても素敵な夢を見た。
夢の中の母と私は二階の大きな部屋で、職人達が畳を入れたり、敷居を調節したり、窓の雨戸を直しているのを見守っている。
それは昨日職人たちがやっていたことなのだ。
私がふと目を上げると世にも美しい姿が目に映った。
美しく気高い顔立ちの見知らぬ人が階段のところに立っていたのだ。
長い輝くような衣を纏い、真っ白な大きい翼はあたり一面に輝く後光を放っていた。
美しい彫刻のある長い刀にかけた手に頭をもたせかけ、静かな眼でじっと職人の作業を見つめていた。
その優しい眼のなんとも云えない表情――この上ない高貴さ!
私は夢の中で息を殺し、母の腕に手をかけて、彼の方をじっと見つめながらこう聞いた。
「あれは死の天使ではない?」
誰か家の人間が、彼の手にした刀の一撃で急死するかと思えたのだ。
しかし母が答える前に、気高い声が部屋中に響き渡った。
――「我はこの家の守護者」
風が吹き付ける音で私は目を覚まし、長い間美しく気高い見知らぬ人のことを想った。
なんて素晴らしい夢だったのだろう!
あれは神の軍勢の指揮官ではなかったか? 
悩める子らのためにこの夢を送って下さったのは、イエス・キリストだったのだ!
どうかそのような気高いお客様に相応しい人間になりますように。
「逗留するのみならず、我とともに住み給え」