Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第51回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第51回】
「ということで、復帰第一回はホイットニー家の引越の模様をお伝えしました」
「永田町界隈は随分と豪華なメンバーが軒を連ねていますわね。よくもこんなに敷地があったものだわ」
「日記中でも触れられているけれど、この辺りは大名屋敷ばかりだったからね。
ちょっとイメージしづらいと思うんだけど、明治初期って、この辺りは殆どゴーストタウンに近かったのよね。
幕末からの流れで説明していくと、まずは参勤交代の廃止で毎年地方から上京してきた地方の武士たちがいなくなり、その結果大名屋敷の敷地内にあった彼らの居所が不要に。
ついで、明治維新を経て地方の殿様とその家族も領国に帰り、幕臣である元の旗本達は静岡に大量移住して更に人が減ったわけ。
廃藩置県で元の殿様達は東京に戻ってきたけれど、上屋敷だの中屋敷だの下屋敷だの複数も必要が無くなり……というか維持できなくなったのよね。大体そういう屋敷は明治政府が召し上げて公家や高官に払い下げたり“何処ぞの偉い先生”に無料みたいな値段で払い下げたりでね。そう“何処ぞの偉い先生”に。
うちの父様に借金を申し込みに来るくらいなら、その敷地を担保にでも出して借り入れればいいじゃない。元々無料で手に入れたような敷地なんだし! ちなみに借金を申し込みに来たのはこの年の4月11日だったり」
「……話がややこしくなるから、とりあえずその話は余所に置いておきなさい。
そういう事情ですのね、この当時何故か東京の中心付近に広大な酪農場の実験地が普通にあったりしたのは。
それにしてもこの当時にしっかりした都市計画に基づいた町作りが出来ていれば、今頃東京はもっと整然とした都市になっていたでしょうに、勿体ない。
岩倉使節団ナポレオン三世による大改造を経たばかりのパリを訪れた政府高官も多かったでしょうに、何故そこに思い至らなかったのかしら?」
「江戸時代は武士の住む町と町人の町がはっきりと分断されていたからね。官公庁と商業地と貴賤を問わない住宅が入り混じる事なんて想像できなかったんだと思う。
そう云うわけで、大規模な都市改造もされることなく、江戸期の古地図と現在の地図を照らし合わせると、大幅に違いがあるのは埋め立てが行われた海岸線付近くらいなものだったり。意外と面白いから、機会があればその手の本を一冊買って眺めてみて下さい」
「さて、今回はこのくらいで特に解説すべき事はないのですけれど……お逸、貴女の国では七夕に雨が降ると縁起がいいわけですの? 随分変わってますわね」
「わたしだって知らないわよっ! 当たり前だけど、まるっきり逆でしょ、日本だって中国だって! クララ、日本語を聞き違えたんじゃないの、この一件については?」
「流石に聞いたことはありませんわよね、七夕に雨が降ると幸運になる、なんて。
もしその手の慣習が本当に存在するならばご一報寄せて頂けますと幸いですわ」
「とりあえず今日はこんなところかな? あ、個人的な感想だけど、クララの引っ越しの直前の夢に出てきた“翼を持った侍”って格好良いよね! 厨二病設定みたいだけど」
「日本の刀を手にしているのに、イエス・キリスト使徒であり、神の軍勢の指揮官! と解釈をするのは如何にもクララらしいですわね……って厨二病設定はおやめなさい、厨二病設定って表現は!」
(終)


と云った所で、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
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