Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第56回−2

1878年8月31日 土曜日
ゆうべはとても眠くて一晩中ぐっすり眠った。
兵隊の再度の反乱があったにもかかわらず、天皇陛下は昨日北陸地方と東海地方への旅に出られた。
陛下は後継者に有栖川宮をお決めになったそうだ。
有栖川宮は十五歳で海軍省へ行っておられ、小鹿さんがお教えしている。
「陛下は静かな落ち着いた方で、国の政治はすっかりお任せになっておられる」
森氏によると、陛下はあまり政治に興味がおありではないようだ。
天皇のお側に常に待っている賢明な人たちが、政治にもっと関与されるように進言したものの、陛下は頷かれただけで何も仰らなかったとのこと。
『陛下! 我が国は危機的な状況にあるのです。どうか陛下が直接政治を執り行うよう』
そう云って側近がもう一度その話題を取り上げたが、天皇は「心得た」と云われただけで、その話を打ち切られ、それ以来それが話題になることを避けておられるそうだ。
一方、皇后様は明らかに聡明なお方のようだ。
臣民の間に、特に女性の間に、徳と善行を普及させたいというお考えから、彼らの間の善行の例をお集めになり、みんながますます特を励むように仕向けるために、それを三巻に纏めて出版された。
女子のための師範学校も皇后様の直々のご努力で創立された。
陛下が国の政治のことを皇后様に打ち明けて話さないのは間違いだ、と思われている。
皇后様はどんな政治問題でも理解して、陛下のお手伝いをなされるだけの能力をお持ちなのだ。
しかし、陛下は政治に関係のない人に政治を語ることは断乎拒絶されるそうだ。