Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

クララの明治日記 超訳版第56回−5

1878年9月3日 火曜日 
母はディクソン氏から素晴らしい贈り物を受けて、吃驚している。
「これはカンザン焼の茶器のセットで、京都の焼き物の中でももっとも高価なものですね」
森氏がそう解説して下さった。
模様は青地に梅の蕾と花と竹の葉が描かれており、ティーポット、砂糖入れ、ミルク入れにお茶碗と受け皿が三組入っていた。
昨日ウイリイから手紙が来た。
いろいろのものを送って欲しいというのだが、とりわけ料理の本と百科事典が要るとあった。
いろんなことを聞かれるのだそうだ――例えば、漂白粉はどうやって作るのかとか、モザイクの金はどうして作るのかといったようなこと。
下総でアメリカ人が二人、泥棒の一団に襲われて半殺しになった。二人の名前はジョーンズとラッセルである。泥棒は捕らえられた。
一方、先日の反乱の首謀者も逮捕された。
反乱の計画をされていた晩、大変幸いなことに、七時頃一人の小役人が開成学校近くの兵舎の横を通りかかり、塀に近い一郭から聞こえてくる人声に気付いて足を止め、耳をそばだてると、宮城や何人かの将校を襲撃する計画が話し合わされていたのだそうだ。
彼は駆けだしていき、関係当局に通報した。
森氏は午前三時に起こされ、次いで五時にもう一度起こされることになった。
二度も起こされ立腹しておられた。
彼は警報を発する前に、ニュースは全部知らせるように言いつけてあり、少しでも危険性があるという時には、私たちにも知らせて下さると約束して下さった。
森氏に楠本氏という二人の有力者に守っていただけたら、私たちは安全な筈だと思う。
それよりも私たちはより高い守護者、より信頼すべき友、天の神にお頼りしているのだ。