Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第57回−7

1878年9月23日 月曜日
今日はことの多い一日だった。
けれど同時に、楽しい一日でもあった。
日本の感謝祭で、通りはお祭り気分の人出賑やか。
富田氏がまずみえて「手に入りそうな家が見つかった」と云われた。
それは勝家の隣で、建宮敬仁親王が亡くなった古い徳川屋敷の向かい側にある。
彼は有望な家だと思っておられる。
富田氏はサムライが着る堅苦しい仕立て下ろしの紋付き袴姿でとても立派に見えた。
村田氏の従兄弟で、ヨーロッパとアメリカから帰国されたばかりの図師氏が午前中来られた。
母が出かけていたので、私がお相手をすることに。
良さそうな人だけれど、あまり頭が切れるとは思えない。
でも、容貌はとても立派だ。第五国立銀行とやらに勤めているそうだ。
「蛎殻町の家に是非遊びに来て下さい」
そう誘われた。そこに一人で住んでいるそうだ。
図師氏がお帰りになってから部屋を片付け、その後シェークスピアを読むことにした。
まずマクベスを選んでみる。
陰惨さが恐ろしくもあり、魅力的でもあった。
一度舞台の上で見たいという気持ちになった。
マクベス夫人はマクダフの云うとおり、まさに「悪魔のような王妃」である。
でもこの芝居の教えていることは、野心が弱い人間にどう作用するかということなのだろう。
柴田氏が晩に見えて、笙を持ってこられた。
とてもやさしい音の出る笛である。
ディクソン氏も来て音楽の演奏をしたり、お話をしたりして楽しい晩だった。
だんだん親しくなるととても気の置けない付き合いやすい人だ。
お二人とも遅くまでおられた。
ディクソン氏はド・ポワンヴゥィル夫人に、東京中で私たちの家が一番良いところだと仰ったそうだ。
私は昨日、使用人のヤスと大喧嘩をした。