Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第58回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第58回】
「クララとしては珍しい、なかなかに“女の子らしい”微妙な恋の鞘当てが垣間見えますわね、9月27日の日記は」
「……………………ノーコメントの方向で」
「実際この大久保三郎氏のお父様は、お逸、貴女のお父様である勝海舟氏を取り立てた大久保一翁氏のことですわよね? 普通に考えても、貴女の結婚相手に相応しかったのではないの?」
「……………………それもノーコメントの方向で」
「不思議と云えば他にも不思議な話がまだありますわ。
大久保家は長男である三郎氏ではなく、徳川家達氏付きだった弟の業氏の方が嗣いでますわね。三郎氏は留学経験もあって、後に東京帝大の植物学教授になってもいるのに」
「……………………やっぱりノーコメントの方向で」
「更に業氏が不慮の事故で早く亡くなられたにもかかわらず、大久保家を嗣いだのは今度は三男の立氏というのも」
「……………………なんとなく“推測”はつくけれど、証拠がないからノーコメントの方向で」
「まあ、いいですわ。“それぞれの家庭”には各々の“複雑な事情”があるものですものね。
「……………………」
「では、他の点について参りますわよ。実は今週はサラリと通説や一般に知られていることを覆すようなことが平気で書いてありますから。
まずは大久保氏が弾いた『埴生の宿』ですけれども、wikiを見ると『日本では1889年、里見義の訳詞で紹介され、日本の歌百選の一つに選ばれた。』と書いてありますわね」
「実際にはその十年以上前にこうして普通に演奏されていたわけで」
「クララの家で演奏されていたこれらの音楽が、後に全国に拡がっていくのは、お逸、貴女の“未来の旦那様”が一因なのでしょうけれどもね」
「……後年のことはさておき、この他に注目すべきはイザベラ・バードのことよね」
「今日彼女がテレビなどで紹介される時は大概“女性ながら世界の辺境まで旅をし、当地の生活をつぶさに描いた偉大な旅行者”という感じですけれども……」
「同時代の、同じ場所にいる人にとっては鬱陶しいことこの上ない、って典型な人だったみたいだねー。本当に根掘り葉掘り、とことん相手にうざがられるくらい質問しまくったんだろうなあ」
「しかし彼女の飽くなき好奇心のお陰で、後世の人々が当時の様子をつぶさに知ることが出来るのですから、やはり偉大な人物だったと云えるのでしょうね。ただわたくしも、決して彼女と“友人”になろうとは思いませんけれども」
「そういえば“朝鮮紀行”は読んだことあるけど、まだ“中国奥地紀行”は読んでなかったっけ。一度読まなきゃなあ。……“朝鮮紀行”は名著だと思うけど、個人的には二度と読み返したくないけど」
「何故ですの? ……って、愚問でしたわね。貴女の“未来の旦那様”がどんな苦労をしたのか、ある意味想像しやすくするための内容ですもの」
「ちなみに、イザベラ・バードが旅したのは日本の朝鮮併合のずっと前。だけど、そこに描かれた朝鮮の姿と人民の姿は……」
「興味ある方は、まずこちらのAmazonの書評を読んでから、購入されるかお決めになった方が宜しいかと思いますわ。“両方”の立場から書かれていますから。
ただ“価値観の違い”を超えて、貴重な書籍であることは疑いありませんけれども」
(終)


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