Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

クララの明治日記 超訳版第59回−7

1878年10月21日 月曜日
昨日は風邪もだいぶよくなったので、家族と一緒に礼拝に出かけた。
ウォデル先生の説教は「克己」についてのもので素晴らしかった。
午後富田夫人がみえ、森有恕老先生は病状が悪化し、もう長くないと思われていることを知らされた。
富田夫人は変わった方だ。
私の猫がお気に召したらしく、こんなことを云った。
「地上における最上の幸福は、一日中おいしいお菓子やアイスクリームを食べ、二、三匹の子猫と遊ぶ以外に何もすることがない状態だ」
それも時にはいいだろうけれど、私だったらより高いものを求める。
今朝森氏がみえて、父上が赤痢で重態であると云われた。
母上である里さんも中風で苦しんでおられる。
父上が亡くなったかと思われた時には、彼女も死にたいと思われたそうだ。
でも心を取り直し、こう云われたそうだ。
「今死んではならない。私が死んだら息子に面倒がかかり過ぎる。少なくとも半年は主人より長生きしなければならない」
有礼氏が面倒を見なければならない人が実に大勢いる。
ご自分の奥様とお子さんの他に、亡くなった二人のご兄弟の家族が合計五名、ご両親、奥様のご家族、その他に居候が大勢いる。
外務大輔として相当の棒給を貰っておられるが、大金持ちというのではない。
でも“格”を保つために衣装、家具、骨董品などに沢山お金をかけざるを得ない。
今朝ダイヴァーズ夫人のところへ洋服屋のことをききにいったら、横浜の修道院<フランス系>の学校に行っていたエラが帰ってきていた。
「横浜の学校はいいですか?」
そう聞いたら「お母さんが一緒だったらもっといいのに」と答えた。
「同年齢の子供は他にいないの?」
「二人しかいなくて、二人ともとても意地悪なの」
夫人が説明のために口を挟まれた。「二人とも日本人の子なの」と。
大山巌中将の奥様である沢子さんが家で勉強したいと仰っている」
帰宅後、森氏にそう伝えられた。
ウィリイが金沢で大山中将にお会いしたのだそうだ。