Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第61回−3

1878年11月4日 月曜日 
ウィリイから長いこと便りがなくて心配していたけれど、土曜日に手紙が来て安心した。
ジェニーとガシーがさよならを云いに来た。
午前中にミス・カミングスを訪ねてみたら、せっせと骨董品の荷造りをしていた。
相当の高価なコレクションができている。
ミス・カミングスは箱が小さすぎると怒っていた。
「チッ、いまいましい!」
そう怒鳴ったと思ったら一転、私の方を向いて優しい声で一言。
「いい子ちゃん、あんたは悪い言葉を使っちゃ駄目だぜ♪」
そのまま午前中ずっと写真を買うのを手伝わされた。
そしてそのあと店の人に手伝わせて分類し、数を数え、名前を記入した。
店の主人がお礼に五、六枚くれた。一枚二十五セントも三十セントもするものだから沢山のお礼を貰ったことになる。
浅草の内田写真館から来た人で、とても良い人だった。
「もっと良い写真を持って来なかったことに対して文句を云え」
私は厭だったけれど、ミス・カミングスは私にそう言い付けた。
口調から云って、きっと冗談だとは思ったけれど。
「お昼を一緒にどうだい?」
一通り片づいてからそう誘われたけれど、私はそうしてはいられなかった。
午後から、使用人を探しに築地へ行かねばならないのだ。
というのはフジが「お父さんの世話をするため」と云って帰ってしまい、家には誰もいなくなってしまったのだ。