Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第63回−3

1878年11月22日 金曜日 
シェパード家のグレタとアニーは、母にとって大変な重荷である。
特にグレタはぶきっちょで、無知で、しばしば生意気である。
年は十二だが、年の割にはおませで、態度が横柄だ。
「わたしね、アメリカに帰ったら、いーっぱいいろんなものを買って貰うんだから♪」
彼女がいつも話すことといったら、アメリカに帰った時に、お父さんが買ってくれることになっているもののことばかり。
褐色砂岩を正面に使った邸宅、カーネション色の自分の部屋、真っ赤なサテンの家具。
そういったものを、まるで、既に決定したことのように喋る。
でも、世俗的な両親によっていい加減に育てられた子供に対しては斟酌してやって、いくらかでも良い影響を与えるように心掛けるべきだろう。
午後柳谷夫人がみえた。
「日本語を話せないアメリカ人のところへ挨拶に行くのに、クララさん、ついて来てもらえませんか?」
そんな依頼だったけれど、私は母について行って通訳することになっていたのでお断りした。
柳谷夫妻は日曜日に横浜に行かれる。
今日は杉田先生を通してとても良いお友達ができた――榊さんというご家族で、お父様は上手な絵描きでいらっしゃる。