Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第64回−1

1878年11月30日 土曜日
今朝母とアディは横浜に行くことになった。
私は二人を駅まで送って行き、その帰りに日曜日のための食料を買いに行った。
我が家の主任賄い方は私なのだ。
市場での買物を済ませ、テーブルに置く花や果物を買い、そのあと二箇所に立ち寄った。
ウィリイにケーキを一箱送るべく郵便局に行ったのだけれど。
「普通に送ると三十四セントもかかりますよ。それなら貨物として送った方がいいと思いますが」
郵便局員はそう云って受け付けてくれなかった。
更にド・ボワンヴィル夫人、シェパード夫人とメイを訪問し、家に帰ってきてから日曜日のために部屋を片付け、お昼を食べて服を着替えた。
そしてクリスマスのための刺繍に取りかかろうとしたところへ、使用人のタケがやって来た。
「日本、お客様!」
客間に下りてみると森氏が見知らぬ男女を伴って来ておられた。
大山巌中将夫人の沢子さんと彼女の弟、吉井幸蔵氏だと紹介される。
「大山夫人が英語を勉強なさりたいというので、クララさんに一度会って頂こうと思いまして」
どうして私のことを知ったのかと不思議に思っていると。
「主人が陛下のお伴をして金沢に行った際、お兄様のウィリイさんと一緒に食事をしたのですよ」
大山夫人はまだ若い綺麗な方で、強い薩摩訛りがある。
二十二歳くらいの弟さんは海軍の軍服を着ていた。
アメリカに六ヶ月留学していて、勝小鹿氏とも親しいことを話された。
森氏は月曜日に忠臣蔵を見に招待して下さった。
荷物が届いたというので見に行ってみると、私の帽子ではなくミス・ワシントンの帽子が届けられてきた。
だからその帽子を築地へ送り返し、ミス・ワシントンが私の帽子を返してきたら取り替えて届けるようにと指示した。