Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第64回−5

1878年12月7日 土曜日 
水曜日以来私たちの新しい家への引っ越し作業が続いており、何もかも混乱状態。
初日の水曜日には滝村氏がみえて重いものは荷造りをしてくださった。
木曜日の午後、氷川町に来てみるとお逸、おせき、およね、勝夫人、内田夫人といった皆さんがせっせと掃除をしては荷物を整理してくださっていた。
昨日のうちに荷物は全部移してしまい、私は永田町の家が綺麗に掃除されているのを確かめてから、屋敷内の皆さんにご挨拶をして回った。
母とアディの二人はトルー夫人のところに泊まっており、私はド・ボワンヴィル夫人の家に泊めて頂いている。
晩になるとド・ボワンヴィル家に行き、朝になると自分の家に帰って来る。
ド・ボワンヴィル家はとても楽しく、ご主人の冗談や奇行に私は大笑いする。
外見も態度もまるで少年のようだ。
スコットランドの唯一の名産は元気な少年たちだな」
そして母国であるフランスを褒め称え、それ以外の国は尽く貶す。
特に嫌悪を覚えるのが日本とスコットランドらしい。
これらの国に対する悪口は相当ひどいものだ。
思慮深くて優しい奥様とは大違い。
けれど、私はご主人も嫌いではない。きっと言葉に嫌味がないからだろう。
でも、私の一番の気に入りは娘さんのマリーちゃんだ。
彼女の方も「お嬢さん、大好き」などといってくれる。
ちなみに。ここでいう「お嬢様」というのは恥ずかしながら、私のことだ。
毎朝私の部屋に入ってきては「猫に引っ掻かれたところはどうなったの?」と尋ね、私の化粧法や髪の巻き上げ方を見守る。
殆ど日本語ばかりで喋るので、お家の方はお父様でさえ分からない。
それで絶えず日本語が分かる私に語りかけてくるというわけだ。