Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第69回−5

1879年1月18日 土曜日 
またひどい風邪をひいてしまった。
まるで咳をし続けるのが私の運命であるかのようだ。
午前中にちょっと内田夫人のところへ行って、彼女と耳の聞こえないおば様としばらくお話をしてきた。
それから勝家に回る途中で岡田のオバサンに出会い、お天気のことなどを立ち話をしてからうちまで送っていった。
時々晩に出かける時に私は提灯を持って岡田さんを家まで送ってあげる。
「冬は寒くて暖を取るのが難しいから嫌いだ」
彼女はしばしばそうぼやく。
確かに夏は暑いけれども、何処か涼しい場所を探すことができるからだ。
お逸と二人でしばらくコタツに入って、爪先から暖めてから二階の彼女の部屋に案内された。
ベルギー製の絨毯が敷いてあり、箪笥や机に、柳や梅の枝を活けた花瓶があった。
気持ちの良い小さい部屋でバルコニーがついている。
お祖母様の写真や、彼女とお母様と一緒の写真などを見せて貰った。
それからお母様が若い時に使われた美しい櫛を出して見せて下さった。
大きくて彫り物がいっぱいある櫛だ。
材料は昔は櫛に使われなかった鼈甲であった。