Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第73回−2

1879年4月1日 火曜日  
今日がエープリルフールだということをすっかり忘れていた。
築地の友達と一日遊んできたアディに、用もないのに玄関に行かされた。
怒ると、けろりとして「エイプリルフールよ」と云われた。
学童たちが大手を振って悪戯ができる日であると同時に、今日は掛け取りの日でもある。
日本では月初めに精算するのが習慣なのだ。
車夫、料理人、八百屋、肉屋、洋服屋、洗濯屋と数え切れないほど来て、そのたびに財布が軽くなっていく。
この月払いのやり方は長短両方ある。
請求する職人の側には良いかもしれないが、される私たちの方は我慢と辛抱が必要だ。
大世帯の勝夫人は一体どう捌かれるのか見当もつかない。
「私たちのサムライ」である田中も、飾り物ではないことは確かだが、短所もある。
勝夫人はサムライがいなくてはやっていけないと仰る。
しかし、その効用は時には怪しく見える。
使用人頭の田中の仕事はスクラップブックを貼ったり、手紙の投函、宛名書き、スプーンや皿がなくならないように気をつけること、私たちが悪い人に騙されないように注意すること、使用人との間に入ることなど、できる限り私たちの手助けをしてくれることである。
机をデンと置いてそれらしく構えている。
給料は僅か四ドルに、米と燃料、そのほか適当に私たちがやるものである。
ちなみに彼は初めは料理人になりたがったのだ! 
勝氏の家来、つまり「カロウ」は七太郎で、田中と同じ仕事の他に屋敷の子供たちに漢文や歴史を教えている。
日本はなんとおかしな国だろう。
使用人との付き合いにこんな面倒な手続きがいるなんて!