Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第74回−4

1879年4月8日 火曜日 
今朝起きると寒くて曇っているので、花見を今日に延ばさなくてよかったと思う。
よく寝たので疲れがとれた。
二時にド・ボワンヴィル家へ行き、奥様やマリーと一緒に加賀屋敷にローンテニスをしに行った。
四時までやり、それから全員でアジア協会へ行った。
チェンバレン氏がワソービョーエの不老長寿の国や、巨人の国での冒険の話の訳を読んで下さったが、スウィフトの『ガリバー旅行記』によく似ていた。
とても面白い話で『不思議の国のアリス』を思い起こさせた。
母と一緒に家に帰ると、不在の間に来客があった。
「おやお様はこの前の五日土曜日、松平家の新しいお世継ぎである康民氏に輿入れされました。
つきましては、来月クララさんたちにおいでになって欲しいとのことです」
小泉氏が来て、そう云って寄越したそうだ。
おやおさんも若いご主人も加減が悪く、小泉氏は「お気の毒に」と二人のことを云っていたそうだ。
それから勝夫人のところに母と一緒にお礼に行き、気持ちよくもてなされた。
正月のことを話し出し、日本人は元旦には死を意味する「シ」という音を忌み嫌うので、例えば“シバ(芝)”などとは云ってはならない。
勝夫人はすぐに出そうになるこの言葉を口にしないですますのにどんなに苦労するかを、面白おかしく聞かせて下さった。
だが「ジュ」という言葉は、福寿草のようにとてもめでたいものだそうだ。