Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第75回−7

1879年4月20日 日曜日
母は教会に行けないので、今朝はアディと二人で行った。
リーズ氏の説教は素晴らしかった。
ヨセフは何故自分が奴隷に売られたり、牢屋に入れられたりするのか分からなかったが、それが結局二つの国を救うこと救うことになったように、嵐の後には必ず上天気がくる。
だから私たちは神の恵みをどんな時でも信じ、神を愛さなくてはならない。
そう説かれた。
こんなに良いお話なのに来ている人が少なかったのは残念だ。
お昼からひどい雨になったので午後は芝に行かず、もっぱら母と梅太郎の相手をした。
そのうち銅鑼が鳴り、ディクソン氏がみえた。
夕食後、津田氏が奥様を連れて来られた。
奥様は日本人にしては素晴らしく力強いソプラノだが、ドを出そうとしてファシャープを出す変な癖がある。
勝家からは五人参加した。
英語の礼拝が終わると、津田氏が日本語で話をした。
「イエスの教えは喜びの宗教です。賛美歌も聖書も、楽しいとか、幸いなるかなといった言葉でいっぱいです」
そしてにこにこしながらマタイ伝五章を読まれた。
「日本や清国の良い詩と云われるものは全体物悲しくて、悲哀が深ければ深いほど秀でたものと考えられています。
ですから出てくるのも、死、涙、溜息、過去への哀愁といったものばかりです。
だが皆さん、聖書は真の喜びの根源であり、これを読んでみなければ、というよりキリストを信じ、真の幸福とは何であるかを知っているキリスト教徒でなければ分からないことなのです」
みんなは「本当にそうだ」とか「ナルホド」と相槌を打った。
次に津田氏の左にいた青年が、マタイ伝四章を見て欲しいと云い、キリストの誘惑を終わりまで読んだ。
「入信する前に、聖書で一番心を打たれたのはこの箇所です。
キリストは私たちに素晴らしい模範を示してくれたと思います。
人間が躓く欲望は三つ、それは食欲、誇り、野心です。
サタンを追い払ったキリストは、天国への道の妨げとなるこの三つのものに打ち勝ったのです。
私たちもこうありたいものです」
下手な話ですがこれで終わりですと最後にお辞儀をしてやめた。
この祈祷会が皆の役に立って欲しい。