Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

クララの明治日記 超訳版第75回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第75回】
>>御隠居様は喜んで滔々と庭の未来図を説明なさった。
>>まるでこれから何年も生きているような口振りだ。
>>……もう片足を墓に突っ込んでいるというのに。
「さ、流石にこれは擁護のしようがないよね。。。」
「原文の方はどうなっていますの? 日本語ではなく、英語版の方ね。
日本語版では確かに“殆どこの通りのこと”を云っているようですけど」
「華麗にスルー(笑)」
「……やっぱりですわね。しかし読者が更に多いであろう日本語版の方が過激なのは不思議と言えば不思議ですけど」
「それにしても、これはいったい何なんだろうね? 
キリスト教的には、あまり生に執着し過ぎるのは“みっともない”って事なわけ?」
「正しく生を全うすれば天国に導かれ、先に亡くなった愛しい人たちと再会できるのだから、死を厭うべきではない、ということでしょうね」
「うーん、そこのところ、どうにも理解しがたいなあ、一般的な日本人としては」
「あら? 日本でも“厭離穢土”とか云うんじゃありませんの? 
戦国時代の一向宗門徒などが手強かったのも、こういった思想が背後にあったからではないの?」
「そりゃあ、戦国時代の話で時代背景が全然違うし……って今唐突に思いついたことなんけど。
いわゆる“島原の乱”って、キリスト教徒による反乱だから大きく取り上げられているけど、アレって、信者の思想の基本構造としては一向宗と大して変わらない気がするよね。
信仰対象に唯一神がいるかいないだけで、死後に行き着く先が天国か極楽かなんて信者が厳密に分けて考えていたとは思えないし」
「そこのところは研究者の立場によって両論あるようですわね。
即物的な学者は、領主の苛政が主な原因による一揆で、偶々その地域でキリスト教が盛んだったに過ぎないと主張しているし。
一方キリスト教寄りの研究者だと、彼らは深くキリストの教えを理解・実践した、世界に類例を見ない素晴らしい殉教精神の塊のような存在だと主張していますし」
「なんだか随分と勝手な話だよねー、どっちとも。
ま、歴史なんて、後世の歴史家の勝手な解釈や見方で真実と全く違っている、なんて別段珍しくもないんだろうけど」
「歴史というのは基本的にそういうものですわ。
わたくしの故国も“歴史書を記すことこそが正義”と表向きは云っていますけれど、正直なところ、真実をかなり歪めて書いているところも多々ありますし」
「だからといって、クララの“暴言”が赦される筈もないけど」
「結局そこに回帰しますのね。親友のくせに容赦ないですわね」
「親友だから厳しいんだって! 
ま、クララとしては一切悪意はないんだろうなあ、というくらいはフォローしておくけど」
「……正直あまりフォローになってない気がいたしますわよ。
特に4月20日分の、津田仙氏のキリストの教え礼賛部分と比較すると」
「津田先生は本当にポジティブかつアクティブなキリスト教徒だからねー」
「現在は娘の梅子さんばかり取り上げられますけれど、この方もスポットライトが当たって然るべき方ですわね」
「いずれ機会を設けて津田仙氏の生涯についても解説したいかも?」
(終)


と云った所で、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
最後まで読んで頂けた方、拍手ボタンだけでも押して頂ければ幸いですm(_)m。ご意見・ご感想、質問等も随時募集中ですのでお気軽に拍手で。