Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第77回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第77回】
「この数週とは対照的に、今週は本当に話題満載ですわね」
「だねー。明治初期の貴重な天皇陛下皇后陛下の謁見の際の模様やら、宮内省雅楽稽古所の演奏会の模様やらも貴重だけど、何より重要なのはうちの父様の細やかな配慮が見える同人社女学校の開設式典の模様だよね♪」
「はいはい、細やか細やか、ですわね。話している内容は極めて一般的な指摘だとは思いますけど。
まあ、確かにこうした勝氏の気配りの生の姿が、第三者視点から読める資料が貴重であることは否定しませんけれど」
「ちなみに余談。今日では知名度が圧倒的に違っちゃってる同人社の中村正直氏とK塾のF氏だけど、明治初期には甲乙つけがたいくらい拮抗していたんだよ。
それぞれが開設した私塾である同人社とK塾もね。
それがどういうわけか、今回開設された同人社女学校も、男子向けの同人社もしばらくすると廃っちゃって。。。」
「詳しい事情は分かりませんけれど、これまでクララの日記で描かれた中村氏の姿から推察は出来ますわね。
まずは新時代のオピニオンリーダーになるには“線が細すぎ”という印象がありますわ。
“良い人”であるのは疑いようがないのですけれど、お逸の嫌いなF氏の“アクの強さ”が感じられませんもの」
「後段については同意。中村氏が政府から、広大な大名屋敷跡を異常に格安な値段で払い下げて貰う、なんて芸当できっこなさそうだし」
「……また貴女は余計なことを。
でもそういえば、丁度この頃でしたっけ? F氏のところの財政が火の車状態になっていたのは?」
「うちの父様に借金申し込んで“自分の土地を担保に入れて借りれば?”って、断られたのが、この少し前だよねー」
「それでも結局そこから立て直したF氏と、ズルズルとジリ貧になってしまった中村氏、という差は歴然ですわよ?」
「……後、中村氏はキリスト教色が強すぎたのが問題だったと思う。
それに本格的な女学校の設立とかも流石に“早過ぎた”んだろうし」
「後者については、早過ぎたと云うより“明治政府の求める女性像”とズレてきてしまったというのが事の本質のような気がしますわよ?
明治初期には官製女学校である開拓使女学校などもあったにもかかわらず、結局廃止されてしまいますし」
森有礼夫人や大鳥姉が通っていた女学校ね」
「他にも私学としては、ずっと後にクララが講師として勤めることになる明治女学校も一時は盛んだったものの、没落してしまいますわ」
「で、大正時代あたりになると、女学校そのものは盛んになるけれど、正直“教育・研究機関”としての女学校は壊滅しちゃうもんね」
「結局今日に残ったのは、後にクララの親友となる津田梅子の津田塾くらいというのは残念ですわね。
元々の明治政府が求めた“良妻賢母”路線と決して相反するものではなかった筈ですのに」
「そういう“現実”があるからこそ“ハイカラさん”とかの漫画が出てくるわけで。
こういう時代背景を踏まえた上で漫画を読み直すと、面白さが一層増すと思うよー」
「さて、今週分として最初に挙げた通り、雅楽稽古所演奏会の模様も貴重ですけれど、特に解説すべき典もなさそうですので、今週のところはこの辺でお開きにさせていただきますわ」
「来週分は特に注目! 大名の黒田家を訪れたクララは偶然“ある人物”に出会います。
ほんの短い記述なのだけど、実はこの人物がその五十年後に……という貴重極まりない記述なので!」
(終)


と云った所で、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
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