Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第78回−3

1879年5月11日 日曜日 
神学博士のアレグザンダー氏が「我は世の光なり」について説教した。
とても静かで厳かな説教だった。
私は田舎の牧師館を、まだ蒸し暑い安息日の午後、白い服に水色のサッシュを結び、幅広の麦藁帽を被った子供たちが、キューキュー鳴る靴を履いて日曜学校に颯爽と歩いていく情景を思い出した。
それから蜂や虫のブンブンいう眠くなるような音、
青草の乾いた匂いや甘い花の香りの漂うものも思い起こした。
簡素なチャペルに坐って牧師の青白い顔を目の前にし、眠気を誘うような声を耳にしていると、自分が何処にいるのか、誰であるのかも忘れて、故郷の絵が心の中に一枚一枚とひらけ、寂しさに泣きたくなるような気持ちになった。
説教はほとんど頭に入らなかったが、長い間忘れていた幼い頃の思い出が、私の魂に何かを与えてくれたことと思う。
ちょっとした言葉、表情、動作がなんと多くの思い出を蘇らせてくれることか。
午後の日曜学校には田中がついてきた。
神のご加護で今日はとてもうまくいった。
説教は箴言の二十七章からで、キリスト教徒の団結、すべての人が兄弟にならなくてはいけないということが切々と説かれた。
今晩の会はとてもよかった。
津田氏は七人生徒を連れてこられ、勝家からは二、三人来た。
中島氏は放蕩息子のたとえ話を選んで、上手に説明なさり、ディクソン氏も良い話をなさった。