Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第78回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第78回】
「團琢磨、キターーーーーーーッ!」
「何をそんなに興奮していますの?」
「團琢磨だよ、團琢磨! 三井財閥の実質的なボス。そして、戦前の日本経済界のドン!」
「そう昂奮されても、世間一般にはこの方の“最期”しか、知られていませんわよ?」
「仕方ないなあ、じゃあ解説を。
團琢磨は嘉永6年(1853年)、福岡藩馬廻役の四男として生まれます。
若干13歳で、旧藩主黒田長知の供をして岩倉使節団に同行して渡米し、そのまま留学。
ちなみにこの時に同行した藩士が、憲法を起草した政治家の金子堅太郎で、後に義理の兄弟になります。
MIT、つまりマサチューセッツ工科大学の鉱山学科を卒業し、帰国したのがクララと出会ったこの前年。
数少ない鉱山学のスペシャリストだった團は政府から三池鉱山を実質的に任され、明治21年に三井に売却された際には、そのまま三井に移籍し、三井三池炭鉱社事務長に就任。
というより、この時の高額の売却金額には“團琢磨の政府からの引き抜き金付き”とまで云われているくらいでね。
ここからが本格的なサクセスストーリー。
團は鉱山だけを経営していたのではなく、三池港の築港、鉄道の敷設、大牟田川の浚渫までセットで構築し、三池鉱山はますます発展。
遂には三井鉱山会長となり、その鉱山だけの利益で三井銀行を追い抜き、三井物産と肩を並べ、三池は三井のドル箱となり、三井財閥形成の原動力になります。
そして大正3年(1914年)、三井物産を創設した有名な益田孝の後任として三井合名会社理事長に就任。三井財閥の総帥となります」
「まるで物語の中のようなお話ですわね」
「更に大正11年(1922年)には、後に大蔵大臣となる井上準之助と日本経済連盟会を設立、翌年同理事長、昭和3年(1928年)同会長となり、名実ともに日本経済界・財界の旗振り役となるわ」
「しかし、ですわね」
「そう、時は1932年3月5日、場所は三井銀行本店玄関前!
政党政治家や財閥重鎮を私利私欲に走る国民の敵である極悪人と断罪し“一人一殺”“一殺多生”の思想を掲げた日蓮宗の僧侶井上日召
その暗殺指示の元に発生した“血盟団事件”の締めくくりとして、団琢磨は射殺されます」
「1932年だとクララもまだ存命ですわね。もし団琢磨氏のことを覚えていたら、どんな気持ちでそのニュースを聞いたのでしょうね……」
「さて、ここからは余談……だけど、現在日本の政界にバリバリに関係するお話。
團琢磨にとって孫娘であり、長男伊能氏の娘さんである團朗子さんは石橋幹一郎氏と結婚しています」
「? 石橋幹一郎氏って、どなたですの?」
ブリヂストン創始者石橋正二郎氏の息子さん」
「ということは……」
「妹さんの名前は石橋安子。結婚後は鳩山安子という名前になるわね」
「……………………」
「更に云うと、石橋幹一郎氏と朗子さんの子供である寛氏の結婚相手の高見理沙さん。
その人の姉妹に高見エミリーと云う人がいてね、今は鳩山エミリーって云うの」
「お、おとぽっぽの奥さん、ですの……?」
「華麗なる親族結婚の坩堝だよ。
鳩山家に團琢磨自身の血は一滴も流れてないけど、要するに、これ、三井とブリヂストンの二代巨大企業に、政治家としての鳩山家が完全に密着して繋がっていることの証明なわけ。
更に云うと、團琢磨の長男團伊能氏は、ブリヂストン自転車工業社長だけじゃなくて、プリンス自動車工業、つまり今の日産(に吸収合併された側)の社長もやってるから、日産とも関係があったり。
ただ、團家の直系である伊能氏の息子である團伊玖磨氏なんかは有名な作曲家になっちゃったので、現在どれくらい團家の関係者が三井に関係しているかは分からないけど。
ともあれ、両企業とも超優良企業なので、別段企業側があくどいことをやっているとは思わないけどね。
ただその二大超企業に繋がった鳩山家にとって、月額1500万円×2なんて、確かに端金なんだろうなあ」
「……少なくとも、脱税と節税の区別が付いてはいなかった気が致しますけどね」
「しかし、この流れで考えてみても“ルーピー”は、本気で“アレ”にベタ惚れなんだね。どう考えても、鳩山家が嫁に迎えるような地位の出じゃないから。
それだけは“ルーピー”も“純粋”ということで褒めてあげても良いけど……普通なら」
「世話になっている家の奥さんを寝取った、という事情がなければですわね。。。」
「やっぱり夫婦揃って宇宙人よね、アレ。。。」
(終)


と云ったところで、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
……今週の解説の話、血盟団事件が起こった当時と現在が少しダブる感じがして、あまり気持ちのいいものではありませんねぇ。
しかし今回久々に血盟団事件を調べたら、犯人連中、戦後もちゃっかり生き抜いているだけではなく、一部は大物政治家になったり、細川護煕政権での“陰の指南役”となったりしていたようで、思わず眩暈が。。。
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