Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第79回−3

1879年5月20日 火曜  
ジョージが昨日来て、ビンガム公使の乗ったペキン号は今日、明日にも着く筈だという。
夫人と令嬢のエマ、フレージャー氏に子供のジェシーとハリーも一緒だ。
ビンガム一家と昵懇の間柄で、親切にして頂いていたから、彼らの日本への帰還を私たちはみんな喜んでいる。
午後、母と勝家に行って、新築した勝氏と小鹿さんの部屋を見せて頂いた。
天井は楠、壁紙は青、絨毯は美しい色合いだった。
小鹿さんの部屋は、すりガラスの戸がぐるりとついている。
四百ドルする掛け物、五百年以上経った木像を見せて頂いた。
この彫物は日本版サムソンの韋駄天で五重塔を抱えている。
「これ見てよ、クララ。父様に頂いたのよ!」
勝氏はお逸が茶の湯を習っていることを喜んで、とても古い屏風をくれたのだそうだ。
茶の湯の道具は既にお逸が持っているからだろう。
それから蚕を見た。
今年は蚕がとても多く、桑の葉を、蚕が食べ易いように小さく切って食べさせていた。
風呂場では、お逸、鈴木夫人、お師匠さんが花を活けていた。
大きな百合の茎に何かの液体を吹き込んでいた。
こうすると花の持ちが何日も長くなるのだ。
とても興味深かった。