Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第79回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第79回】
「お祭りの話、クララ、相変わらずだねぇ。
熱心なキリスト教徒として潔癖なのは分かるけど、容赦ないというか、身も蓋もないというか」
「ただ一点、進歩したことがあるんじゃありませんの? 
ほら、日本に来た当初はお稲荷様を“狐を崇める社”だと思っていたでしょう。
それが狐はちゃんと“神様の使者”に過ぎないという点だけは理解したようですし」
「お芝居の内容的には、確かに分からないところがあるけれどね。このままだと本当に“悪が勝つ”だし。
ただ、恐らくこれは有名な芝居の一シーンを抜き出しているだけだと思う。もしくは説話かな?
どんな芝居や説話から引用しているかは正直私程度の知識じゃ分からないけれど」
「それにしても“巫女芝居”とでも云うのかしら? 
女の子同士のお芝居を稲荷神社に奉納するなんて、随分面白い話ですわね」
「女芝居は出雲の阿国以降、江戸期を通じて“芸”として表立っては存在していなかったけれど、民間ではこういう女芝居が普通にあったのかな?」
「杉田武さんの反応を見ていると、そのようですわね。この芝居で有名になって踊子としてのし上がる、という明確な意図があるみたいですわ」
「百三十年前も今も“芸能界”に憧れる心理は変わらないんだなあ。そして大概その末路も」
「………否定できないところが芸能界の厳しさですわね」
「さて、話変わって。今週分で解説すべきはフランス船で出航した有栖川宮のことかな?」
有栖川宮というのは、戊辰戦争時に東征大総督となった有栖川宮熾仁親王のことですの?」
「ここのところクララの記述だと、有栖川家の誰かはハッキリしないんだよねぇ。
ただ年齢と経歴からして、少なくとも有栖川熾仁親王ではない筈。
熾仁親王だとこの年、四十五歳だし、陸軍大将兼元老院議長だから、今更留学もないだろうし、そんな記録もないから。
多分、ここで云う有栖川宮というのは熾仁親王の異母弟である威仁親王の事だと思う。
年齢は十七歳だし、この前年に兄である熾仁親王の跡を継いで有栖川宮家を継ぐことになっているし、丁度この年から留学……というか、なんというか。。。」
「やっぱりクララの記述通りフランスでしたの、留学先は?」
「ん〜〜〜ん、具体的には何処というべきなのかな? 海の上だし」
「? どういうことですの?」
「や、イギリス軍艦の水兵として艦上作業させられていたんで」
「この方、皇族の身分としては相当上位なんじゃありませんの!?」
「多分、当時としては皇室のNo.3で、クララの書き方には多少誤解があるけど、万が一この時点で明治天皇に何か起こったのなら、恐らくこの方が陛下になられた筈、なのかな?」
「そんな方に危険な艦上勤務をさせたわけですの!?」
「ノブレス・オブリュージュを実践させようとしたんだと思う。
もっとも“水兵暮らし一年”とwikiとかには書いてあるけど、これは正確には間違い。
だってこの翌年の1月からイギリスのグリニッジ海軍大学校に留学しているから、いくら長く見積もっても最長八ヶ月だよね」
「思わぬところで、クララの日記が歴史的事実の補足・改訂になりますわね」
「といったところで、今週のところはこんなところでー。
次回は我が勝家の“秘密”を公開しちゃう予定です!」
(終)


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