1879-06-05 クララの明治日記 超訳版第81回−1 1879年6月5日 木曜 今日、殿様――つまり勝安房守様のことだ――の部屋の前の木に大きな蛇が出て、大騒ぎに。 長い竹竿を勇ましく手にした小さな七郎を先頭に、植木屋、大工、別当、使用人全部が集まった。 だがこんな大軍を以てしても蛇を下ろすことができない。 やっとのこと、ひとりの男が角材で叩き落としたのだけど、落ちた途端、みな我勝ちに逃げ出した。 だが七郎は落ち着いて蛇の尻尾を捕まえると遠くに投げ捨てた。